ユアン・マクレガーが夫婦でセックスシーン、それでも「インティマシー・コーディネーターは必要だ」

近年、映画製作の現場において、性的なシーンの撮影を誰もが安心・安全に行うための専門家、インティマシー・コーディネーターの存在が注目を集めている。『スター・ウォーズ』シリーズのオビ=ワン・ケノービ役でおなじみのユアン・マクレガーは、新作テレビシリーズ「A Gentleman in Moscow(原題)」の撮影において、演じるのが実際の夫婦だとしても、セックスシーンにインティマシー・コーディネーターが必要と感じたと英Radio Timesのインタビューで語っている。
「A Gentleman in Moscow」にて、ロシア革命の影響で逮捕され、有罪判決を受けた後にホテルでの自宅軟禁刑を宣告された伯爵アレクサンダー・ロストフを演じているユアン。壮絶な環境下で出会う女優のアナを演じているのが、ユアンの実の妻で、「FARGO/ファーゴ」シリーズや「アソーカ」(2023)で知られるメアリー・エリザベス・ウィンステッドだ。「A Gentleman in Moscow」の劇中には、ロストフとアナのセックスシーンがあるが、ユアンは「スタッフにとっての問題でもある」との理由から、演じるのが実の夫婦だとしても、インティマシー・コーディネーターに入ってもらう必要性を感じたそうだ。
「人の前で裸になるって変なことですよ。カメラの前で裸になるのも変なこと。ダンスシーンを演じるなら、振付師に入ってもらいますよね。今や撮影の重要な部分ですよ。だって監督と俳優の間に入るってことですから。」
過去に若手女優が「不必要な」セックスシーンを演じることにプレッシャーを感じていたかもしれないという懸念が、ユアンがインティマシー・コーディネーターを必要とするきっかけになっているようだ。4人の娘の父であるユアンにとっては、当事者意識が芽生える事柄なのだろう。
「私の娘(『オビ=ワン・ケノービ』で父娘共演したエスター・ローズ・マクレガー)は22歳なんです。もし年長の有名な監督が、22歳の子に『このシーンでは裸になってほしいんだ』と言ったら、その女優は『どうしよう、やらなきゃいけないよね。私のキャリアが左右されるってことなんだから』って感じるかもしれません。そこから5年もしたら、過去を振り返って『あんなことしたくなかった。どうしてあのシーンで裸になったんだろう?必要なかったのに』と思うでしょう。」
インティマシー・コーディネーターと言えば、『哀れなるものたち』で主演のエマ・ストーンと数々のセックスシーンを演じたマーク・ラファロは、インティマシー・コーディネーターの尽力によって、現場が朗らかな雰囲気で進行したと語っている。米HBOはすべてのTV番組および映画にインティマシー・コーディネーターを立ち会わせる方針を2018年に発表しており、同局のドラマ「メア・オブ・イーストタウン / ある殺人事件の真実」(2021)に主演したケイト・ウィンスレットも「キャリア初期からインティマシー・コーディネーターに入ってもらえたら、恩恵を受けることができたでしょう」と、セックスシーンやラブシーンに1人で向き合うことが難しかった過去をThe New York Timesのインタビューで振り返っている。
Source:Radio Times