マーベル社長、マルチバースが「なぜ、どうやって」可能になるのかを「MCUを追ってきた方」に見せると明言、「劇的な変化」に備えよ

かつて『アベンジャーズ 』(2012)が日本で公開された時、「日本よ、これが映画だ」という挑戦的なコピーが話題になった。それから約10年、今ならマーベル・スタジオはこう言いたいかもしれない。「世界よ、これがマルチバースだ」。
マーベル・シネマティック・ユニバース(MCU)は、長年の下準備を経て、異世界との交流を描く「マルチバース」の概念をついに導入しようとしている。これは一体どれほどのインパクトをもたらすのだろうか?
MCUの舵取り役であるマーベル・スタジオ社長のケヴィン・ファイギが米Colliderの取材で答えたのは、権利獲得によってFOXのキャラクター(『X-MEN』や『ファンタスティック・フォー』など)も得た中、どれくらい前からマルチバースの計画を立てていたのかという質問。ファイギは、彼らがマルチバースについて初めて言及したのは、『ドクター・ストレンジ』(2016)劇中でのエンシェント・ワンによる説明だったと振り返る。マルチバースの概念は「コミックにおいて、常に最も強力なストーリーテリング・ツールのひとつだった」というファイギは、「圧倒されてしまう可能性があるため、取り扱いは慎重に行わなければならない」と極意を語りつつ、次のように続ける。
「(マルチバースは)コミックの世界では60〜80年もの歴史が確かにあります。そして、我々も映画において20年以上の歴史ができた。じゅうぶんな数のキャラクターもいるのだから、もう取り扱い始めてもよいでしょう。『ファー・フロム・ホーム』でも、ミステリオの策として言及していますよね。」
マーベル・スタジオはその道程の途中、親会社のディズニーが21世紀スタジオを買収したことによって、FOXのキャラクターも獲得できることとなった。このことについてファイギは「オモチャ箱にオモチャが増えた」とユーモアを交えて表現。ただし、これによって「マルチバースを取り入れるためのタイムテーブルが変更になったというわけではありません」と説明。つまり、現在までのMCUの流れは、元々の予定通りに動いているということだ。
MCUは間もなく、「スパイダーマン:ノー・ウェイ・ホーム』や『ドクター・ストレンジ・イン・ザ・マルチバース・オブ・マッドネス(原題)』といった待機作にて、マルチバースを本格的に取り扱い始める。これらによって、「MCUに劇的な変化が訪れるか」と尋ねられたファイギは、ずばり「イエスですね」と回答している。
「コミックからのサブジャンルや、ストーリーテリング上の可能性の領域を取り入れるということは、映画で出来ることが増えるということです」とファイギは説明。「『ロキ』の最終話を含め、MCUを追ってきてくれている方には、これから起こることが、どうして可能になるのか、なぜそうなるのかをお見せしたいと思います」。
MCUは、いよいよファンを前人未踏の新領域に連れて行こうとしているようだ。まずは『スパイダーマン:ノー・ウェイ・ホーム』で何が観られるのか。ドキドキ、ワクワクして待とう。
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