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「つまり、みんなデカいサメとジェイソン・ステイサムが大好きってこと」『MEG ザ・モンスターズ2』プロデューサー、アジア人気語る【インタビュー】

MEG ザ・モンスターズ2
(C) 2023 Warner Bros. Ent. All Rights Reserved

『JAWS/ジョーズ』を超えて海洋パニック映画史上最高の興行収入を記録した2018年のヒット作『MEG ザ・モンスター』待望の続編、『MEG ザ・モンスターズ2』が、いよいよ2023年8月25日より日本公開となる。

THE RIVERでは、監督のベン・ウィートリーに続いて、この作品の先取りインタビューを敢行。今回取材に応じてくれたのは、ハリウッドの重鎮プロデューサーにして、『MEG』シリーズの仕掛け人ロレンツォ・ディ・ボナヴェンチュラだ。

実はTHE RIVERでは、ロレンツォ・ディ・ボナヴェンチュラとはこれで4度目のインタビューとなる。当メディア最多登場となったロレンツォは、すっかりお馴染みになった様子で、カジュアルに語ってくれた。これを読んで、パワーアップした『MEG ザ・モンスターズ2』に備えよう。

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『MEG ザ・モンスターズ2』製作 ロレンツォ・ディ・ボナヴェンチュラ 単独インタビュー

──ロレンツォさん、こんにちはー!

やあ、久しぶり!元気してたかい?

──はい、おかげさまで!『トランスフォーマー ビースト覚醒』ではお世話になりました

こちらこそ!私も楽しかったよ。君と話すのはいつも楽しいんだ!

──ありがとうございます!さて、今回は『MEG ザ・モンスターズ2』ですね!前作もすごく楽しかったので、今作も待ちきれません。ところで、ハリウッドでは俳優組合のストライキも始まりましたね(編注:このインタビューは全米映画俳優組合によるストライキ開始当日に行われた)。本作のプロモーションにも影響は出ますでしょうか?

私にもまだわかりません。不明です。今は誰もが状況を見ている感じですね。もちろん、みんな動揺していますよ。このストライキが行われてハッピーな人なんていません。本作のプロモーションがどうなるかは、今後の状況次第ですね。役者たちがプロモーションに参加できないのなら、テレビやソーシャルメディアに頼るしかないかなと。

──本作にはハリウッド最強のアクション・ヒーロー、ジェイソン・ステイサムがいます。前作の彼も最高にカッコよかったですが、またステイサムと仕事をできることの喜びは?

彼のすごいところは、演技力が高いだけでなく、ユーモアのセンスも抜群なところです。彼と現場で過ごしていると、めちゃくちゃ楽しい。だからこそ映画も楽しくなるんですね。

本作が前作と違うところの一つは、ジェイソン・ステイサムが楽しんでいる場面が増えたということです。共演のウー・ジンと非常に自然な化学反応を見せてくれました。2人が一緒にやっているシーンを見るのが、すごく楽しいんです。

MEG ザ・モンスターズ2
(C) 2023 Warner Bros. Ent. All Rights Reserved

──昨日、本作のベン・ウィートリー監督とお話ししたのですが、とっても素敵な方でしたね!本作でベンを監督に起用した理由は、ズバリなんですか?

理由は2つあります。まず、彼がこれまで非常に面白い映画を撮ってきていたということ。映画に監督を起用する際には、その人物が過去にやってきたことを活用したいと考えることもあります。今回の場合、彼なら新しいクリエイティビティをもたらしてくれそうだと思いました。それで実際に面談して、本人が企画についてどう話すか、どれだけ情熱的に聞こえるか、1作目のことをきちんと捉えているかを見させていただきました。実際、彼は1作目を絶賛していたんです。

時々、新しい監督がやってきて、いろいろなことを変えてしまうことがありますよね。でも、それって観客が望んでいることではないし、私も望んでいない。しかしベンは、なぜ1作目が成功したのかをきちんと理解していて、そこにこういう要素をミックスさせれば、さらにパワーアップさせられますよと考えてくれたのです。1作目にきちんと連なる作品でありながら、また新たな魅力のある映画に仕上がったと思います。

──なるほど。具体的に、どういう要素が加わったのですか?

キャラクターたちに人間性がかなり加わっています。彼はしっかり時間をかけて、主要どころだけでなく、全てのキャラクターたちを描きこみました。とても真実味があるものになっています。前作のジョン・タートルトーブ監督と今作のベン監督と、どっちが良いっていう話ではありませんよ。2人とも、それぞれの形で素晴らしい監督ですからね。

MEG ザ・モンスターズ2
(C) 2023 Warner Bros. Ent. All Rights Reserved

ベンの場合は、キャラクター同士の相互作用ができる限りリアルなものに見えるよう、多大な時間を費やして考えていました。彼にとっては、そこが重要だったんです。だから本作では、きっとキャラクターのことをもっと知れると思いますが、それは素早く描かれます。キャラクターとのつながりも感じられるはず。『MEG』1作目ではジェイソン・ステイサムひとりと少女メイ・インに集中していて、他のキャラクターたちに触れられる機会は少なかった。本作では、その他のキャラクターたちのこともよく知ることができますよ。

そして正直なところ彼には、我々が1作目で学んだ教訓を活用できるという利点もありました。例えば、「これは水中でやってもうまくいかないから、やらない方がいい」とか、「サメは速く泳いだほうが怖い」とか。1作目のジョン監督は持ち合わせていなかった“前作での学び”を、ベンは活かすことができたんです。

──ベン監督が教えてくれたのですが、本作のテスト試写では観客の反応をカメラで観察しながら、狙い通りの反応が得られるかを検証しながら編集を加えたそうですね。テスト試写での評判はいかがでしたか?

その通り。まず、笑いがたくさん起こっていました。それからアクションシーンでは歓声もたくさん上がっていてね。こういうポップコーン・ムービーとしては、正直言って最高の反応が得られました。それから、ベン監督にとってはこういうテスト試写というプロセス自体初めての経験でした。

私は慣れっこなのですが、未だに苦手なんです。だって、まるで自分の映画がジャッジされているみたいでね。「ダメだ、好かれなかった」とか、「よかった、受け入れてもらえた」っていう感じで(笑)、観客への初披露はいつもビビリまくっています。観客の方も、別に無理して良いところを見つけようとか、逆に嫌ってやろうってわけじゃなく、素の反応をしてくれるわけですよね。だから、「これはウケるぞ」と思って仕込んでいたものが全くウケなかったり、逆に想像もしなかったところで笑いが起こったりする。

そういう反応を参考にして、シーンを残すべきか、カットすべきかを判断するんです。インディ映画とスタジオ映画の映画製作の違いは、そういうところだと思いますね。

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──『MEG』のような大作映画の続編では、どのようなことが求められましたか?

まず、続編をやるならば、1作目よりも大きなもの、そして優れたものを作らなくてはいけませんよね。『トランスフォーマー』の時にも話したと思うけれど、大作映画において一番難しいのは、正しいトーンを見つけること。どれくらい面白おかしくすべきか、どれくらいシリアスにやるべきかということ。そこがいつも難しいんです。たとえそれが続編であっても、そのバランスは取らなくてはならない。本作の場合は、“恐怖”と、時に“笑い”。その両方の方向性を極限まで高めました。

Writer

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中谷 直登Naoto Nakatani

THE RIVER創設者。代表。運営から記事執筆・取材まで。数多くのハリウッドスターにインタビューを行なっています。お問い合わせは nakatani@riverch.jp まで。

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