「つまり、みんなデカいサメとジェイソン・ステイサムが大好きってこと」『MEG ザ・モンスターズ2』プロデューサー、アジア人気語る【インタビュー】

──ロレンツォさんにインタビューする時、僕は毎回「続編の可能性はありますか」と聞いている気がしますが(笑)、今回はどうでしょう。『MEG ザ・モンスターズ3』はありそうですか?
ハッハッハ(笑)。実際、『MEG』の製作は本当に楽しいんです。サメを何かにカジりつかせたり、人を怖がらせたり、クレイジーなことが好きなだけできますからね。だから、是非ともまたもう一作やりたい。きっとすごく楽しいと思います。
ただし、まだアイデアはありません。でも、原作小説のシリーズに素晴らしいアイデアがたくさんあるので、そこから思い付くと思います。実は本作のラストも、次に続くような終わり方をしているんです。
観客の皆さんの反応が得られるようになるのを待っている間も、いつも楽しいです。プレビュー試写で観た観客と、一般公開された後に観た観客とでは、反応が違うものなんです。それに『MEG』はアジアで人気があります。これは私がこれまで携わった映画の中でも珍しいこと。大抵の場合、アジアとヨーロッパ、北米の商圏においては、二カ所で優れ、一カ所で劣るというのが通例。成功作でもそれが当たり前のことなのです。しかし『MEG』の場合、この三カ所の興収が全く等しかった。私のキャリアでも、こんなことは初めてなんです。
つまり、みんなデッカいサメとジェイソン・ステイサムが大好きってこと。それに海洋モノの利点といえば、常に未知の領域があるということです。だから、いくらでも掘り下げられると思います。

──アジア圏でも人気が等分というのは興味深いですね。中国出身のスターが出演しているからでしょうか?それとも、おっしゃるように作品の普遍性でしょうか?
普遍性だと思いますね。とりわけ『MEG』の場合は、政治的な要素、文化的な要素がないでしょう。科学的な探究の中で、誤った扉が開かれてしまうという、そういう話です。「しまった、なんてことをしてしまったんだ。止めなくては」と。そういう話は、誰にでも通じるのです。
──中国で『MEG』のアトラクションが制作されるという話も、数年前にありましたよね。
話はあったそうです。今はもう動いてないんじゃないかな。ただ、そういう企画があったのは事実です。私は認知していないので、間違っているかもしれません。話を聞いていませんからね。
──あなたが手がけるシリーズ『トランスフォーマー』のアトラクションも既に存在するし、つい先日は『ワイルド・スピード』のジェットコースターができるというニュースもありましたね。もし『MEG』のアトラクションが実現したら、どんなものになると思いますか?
とりあえず水のアトラクションにならないとね!どう表現するかを考えないといけないね。しかし、ポテンシャルはかなりあると思う。水中を進んでいたら、突然サメが現れる!これは怖くてナンボだね。怖くないと意味がない。

──確かにそうですね(笑)。さて、映画の方はアメリカと中国の共作となっています。国際的な共同制作における利点や楽しみはなんですか?
一つの主題に対して、異なる視点が得られるのが面白かったですね。文化的に異なる視点を受けて納得して、自分の意見を曲げることもありました。「なるほど、それは私たちが言っていることと同じだ。こういうことですよね?」「いやいや、そういうことじゃないんだ」というやり合い。そうやって、できるだけ普遍的な映画になるように協力し合えたのは本当に面白かった。異なる文化、異なる視点を持つパートナーがいるというのは、とても助けになります。大抵の場合、お互いにほとんど同じことを考えているんだけど、そのちょっとした違いによって物事が本当に良くなるんです。
──本日最後の質問です。あなたはプロデューサーとして、『MEG』や『トランスフォーマー』のような、大規模予算のブロックバスター映画を手がけることが多いですね。こういった大作映画の仕事は、どんなところが素晴らしいと思いますか?
いくつかあるのですが、今日は二つお話ししようかな。まず、ブロックバスター映画では素晴らしい場所に行けるということ。例えば、ある夜はエジプトのピラミッドで撮影しました。ピラミッドは閉鎖されていて、懐中電灯ではなく松明を灯しました。火の灯りで照らされた景色は本当に美しかった。
『MEG』ではタイに行ったのですが、タイ随一の名所であるプーケットを訪れました。そこに座っているだけで、とんでもなく美しい景色で、自分がこんな素晴らしいところにいるのが信じられないくらい。本当に感動しますよ。『トランスフォーマー/ビースト覚醒』でマチュピチュに行ったこともそうです。
それから、昔、ジョージ・クルーニーやマーク・ウォールバーグと一緒にやった『パーフェクト・ストーム』(2000)という映画があったのですが、観たことはあるかな?実はこの映画、関係者全員のクビが飛ぶぞと、業界では噂されていたんです。というのも、この映画に大金をかけすぎていてね。ハリウッドの人たちは皆、もう我々はこれでクビになると予想していたんです。
ところが、蓋を開けてみたら映画は成功した。あの時は、気持ちが昂りましたね。大作映画というのは、失敗すれば大金が吹っ飛ぶことになる。当時私はワーナー・ブラザースの重役を務めていましたが、あの瞬間はキャリア最高でした。大きな大きな賭けに出て、それが成功したんです。
それはとにかく、君と話すのはいつも楽しいですよ。良い質問ばかりだ。私が日本に行ったら、また是非会おう。
──こちらこそ、いつもありがとうございます。日本でお待ちしていますよ。ありがとうございました!

『MEG ザ・モンスターズ2』は2023年8月25日、日本公開。
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