トム・クルーズ、『ミッション:インポッシブル』危険な空撮シーンでも楽しそうに笑っているから「そんなに笑うのはやめろ危険な場面だぞ」と監督に注意される

どれだけ過酷な挑戦にも果敢にトライし、楽しんでしまうトム・クルーズ。最新作『ミッション:インポッシブル/ファイナル・レコニング』では、曲芸飛行をする複葉機に身体一つでしがみつき、振り回されるという超危険なスタントシーンがある。この命懸けの撮影もクルーズは楽しそうにしてしまい、監督から「おい笑うな!」と注意されてしまう場面があったそうだ。
5月7日に都内で開催された来日記者会見では、主演・製作のトム・クルーズをはじめ、ヘイリー・アトウェル、サイモン・ペッグ、ポム・クレメンティエフ、グレッグ・ターザン・デイヴィス、クリストファー・マッカリー監督が登壇。記者から「とんでもないスタントやアクションがたくさんありますが、さすがにこれは不可能(インポッシブル)だと思った瞬間はありますか?」との質問を受けると、クルーズは「常にです。常にインポッシブルだと言われました」と回答した。
「僕は曲芸飛行のパイロットでもあるし、パラシュートも使えるし、ダイビングのエキスパートでもある。それでも、いつも現地に着くとかなり困難になることもあるんです」とクルーズが続けると、クリストファー・マッカリーは「鮮明に覚えていることがある」と、件の空撮シーンについての裏話を披露。「あれは、トムが過激なスタントをするもので、絶対に不可能な環境で極めて特殊なカメラの動きを伴うものでした」と振り返る。
「トムから提案されて、僕は“ぜひやってみたい”と言ったのですが、問題は、シンプルにそれを実現するためのカメラ機材が存在しない、そんな技術はまだ存在しないということでした。するとトムが、いつものように返してきました。”じゃあ、なんとかしよう”と。」
技術的にインポッシブルなシーンのはずが、なんと翌日までに、チームが即興でその技術を新開発し、「そのカメラ機材が実在するようになってました」と驚く監督。「その日の午後には、彼らはこの特殊なショットのエキスパートになっていました。他では見たことがないようなものです」。監督曰く「映画の主役がこんなことをするのは、二度とお目にかかれない」という究極のシーンだという。監督はこう続ける。
「だからこそ、僕たちは『これはどうやっても無理なんじゃないか』と思えるようなことに直面すると、むしろワクワクするんです。なぜなら、いつだって“できないこと”なんて本当はないから。この映画の現場では、いつも口にしていたモットーがあります。それは、登場人物たちも劇中で繰り返し言っていることでもありますが、“なんとかする” です。そして、僕たちはいつだって、それを実現してきたんです。」
マッカリー監督がさらに詳しく語ったところによると、この空撮シークエンスで、「トムはかなりの部分で飛行機上でたった1人になっている」という。これは、普通に映画を観ているだけでは気付くことのできない、驚愕の豆知識だ。
「カメラは機上のいろいろな部分や、トムのあちこちにピントを合わせています。ライティングもそうです。撮影やカメラの操作ですが、飛行機にカメラを操作する人は乗っていないんです。フォーカスを当てる人もいません。照明の責任者もいません。全てトムが1人でやっています。事前にブリーフィングをして、カメラをどう動かすか、フォーカスをどう当てるかを決めたら、トムが飛行し、彼が機体を操縦しながら、演技をしながら、自分でカメラや全ての機材を操っているんです。さながら、“ひとり空撮部隊”ですよ。」
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