『ミッション:インポッシブル』イーサンとグレースの恋愛描写は「古臭いから」 ─ ヘイリー・アトウェル単独ロングインタビュー

実は、ヒドルストンとロンドンで『空騒ぎ』を上演中も、アトウェルは『ファイナル・レコニング』の再撮影に呼び戻され、二重生活を送っていたことがあったという。「クランクアップを14回くらい経験しました(笑)。何度も呼び戻されては、再撮影をしたり、変更を加えたりしていましたから。ロンドンでトム・ヒドルストンとシェイクスピア劇を演じている期間中も、日曜日に呼び出されて『ミッション:インポッシブル』の追加撮影をやるということが2、3回ありました(笑)。だから、この映画は永遠に終わらない感覚がありましたね」。

『空騒ぎ』上演中も、とにかくクルーズの安否が気になって仕方がなかった。クライマックスで展開される、イーサン・ハントが複葉機にしがみついて振り回される場面のことだ。はじめに製作会議でシーンの概要を伝えられたときは、「どういうことなのか分からなかった」とアトウェル。南アフリカで該当シーンの撮影が始まり、上がってくる映像を見て初めて、彼の行なっている挑戦の危険度が理解できたという。
「彼はスタントのために、文字通り命ををかけている。しかも、これまでよりも危険になっている。彼はいつも自分の限界に挑み、新しいスキルを伸ばし、限界をさらに押し伸ばしていく。彼が南アフリカで複葉機シーンを撮影している間、私はロンドンにいたんですけど、とにかく彼が無事か気になって仕方なかった(笑)。大丈夫かな、大丈夫かな……って。本当に命の危険がありますから。ずっと彼からの連絡を気にして、彼にメッセージも送っていました。もちろん、彼がやれるかどうかを一度も疑ったことはありません。でもね、やっぱり友人の安全は気になる。彼のやることって安全じゃない。リスクが高すぎる。よりメカニカルなスタントもあって、これを効果的にこなすには膨大なリスクと訓練が求められます。リスクはつきものです。
彼が撮影の終盤に言っていたことを覚えています。『僕の仕事は映画じゃない。僕自身が映画なんだ』って。そして今作『ファイナル・レコニング』は、まさに彼そのものを表していると思います。」

トム・クルーズという当代最もストイックな俳優がまとめ上げた『ファイナル・レコニング』。シリーズが今後も続く可能性はあるのだろうか?「きっとトムなら、『映画を観に行って』と言うと思います。なぜなら、最終的にどうなるのかは、観客の判断に委ねられているからです」。アトウェルは、シリーズの習熟度に関わらず、誰もが楽しめる大作映画になっているとアピールした。
「本作がとてもうまくいっているのは、いくつかの物語にはしっかりと結末が与えられていること。その描き方が本当に見事なんです。そして過去作からのキャラクターが新たに登場したり、再登場することもあって、シリーズをずっと追ってきたファンにはとても満足感のある内容になっています。でも同時に、『ミッション:インポッシブル』を観たことがないという人にとっても、一つの冒険映画としてしっかり楽しめる独立した作品になっているんです。」
『ミッション:インポッシブル/ファイナル・レコニング』は大ヒット公開中。










