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『ミッション:インポッシブル』最新作、劇場独占期間を巡りトム・クルーズとパラマウントが対立 ─ 議論は製作完了まで延期に

ミッション:インポッシブル/フォールアウト
© 2018 Paramount Pictures. All rights reserved.

人気スパイアクションシリーズ『ミッション:インポッシブル』第7作(タイトル未定)に設けられた劇場公開独占期間を巡り、主演・製作のトム・クルーズと配給・製作を務める米パラマウント・ピクチャーズが対立していたことが判明した。米The Hollywood Reporterが内情に詳しい各方面の情報筋から証言を取得し、詳細を記している。

2021年3月、パラマウントはストリーミングサービス「Paramount+」のローンチに伴い、自社製作の新作映画に関して「劇場公開から45日後に同サービスでの配信を開始する」という新戦略を発表した。しかし、このたびの報道によると、クルーズはスタジオの決断に憤慨していたといい、シリーズ第6作まで採用されていた「劇場独占期間3ヶ月」の公開形式を要求したという。さらにクルーズは弁護士を手配し、第7作に関して「前シリーズから一貫した方法で扱われるべし」との旨が契約書に記されていたと主張したと伝えられている。

これにパラマウント側も主張を譲らず、当時のCEOであったジム・ジアノプス氏はクルーズを説得すべく、公開後の興行収入の推移に関するデータを提示しながら、「大多数の映画では売上の最大値が封切り後45日間」と伝えていたとのこと。これを証言した人物は「ジムにとっては簡単なことではありませんでした。トムは劇場公開にすごく真剣ですから」と語っている。また、パラマウント社内の証言者は「彼(トム)にとって45日間は(劇場&配信の)同日公開になるようなものなのです」と述べており、配信開始日が設定されてしまうことで人々が劇場に足を運ばなくなることをクルーズは懸念していたという。

しかし報道によると、両者は平行線をたどる本件について、第7作の製作が完了するまでは議論を延期することで合意に至ったとのこと。クルーズの説得にあたっていたパラマウント社のジム・ジアノプスCEOは2021年夏に同職を退いており、後任として同じ米Viacom社傘下のニコロデオン社を率いていたブライアン・ロビンス氏が任命されたが、本件はロビンス氏に引き継がれているという。

一方で、『ミッション:インポッシブル』第7作に関する問題はこれにとどまらず、製作費を巡るトラブルも生じているようだ。第7作は、コロナ禍の影響で製作費が莫大に膨れ上がっており、現時点までにシリーズ最高額となる2億9,000万ドルが投じられている。しかし、クルーズは第7作の為の追加資金をスタジオ側に要求しているというのだ。さらに、クルーズとクリストファー・マッカリー監督は完結作となる第8作を部分的に前もって製作すべく、脚本が存在しないままスタジオ側に予算を求めてもいたとのこと。現在は第8作の撮影が行われていることから、両者の間で何らかの合意がなされたと推察されるが、詳細は分かっていない。

ちなみに、The Hollywood Reporterはトム・クルーズ作品のベテランだという人物に、パラマウント社とクルーズの間で生じている先述の問題の着地点に関する意見を求めたところ、次のような回答が返ってきたという。「トムは自分が欲しいものを主張して、スタジオも自分たちの要求を通そうとする。それでも結局は、トムの要求が受け入れられるんです」。

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Source: THR

Writer

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SawadyYOSHINORI SAWADA

THE RIVER編集部。宇宙、アウトドア、ダンスと多趣味ですが、一番はやはり映画。 "Old is New"という言葉の表すような新鮮且つ謙虚な姿勢を心構えに物書きをしています。 宜しくお願い致します。ご連絡はsawada@riverch.jpまで。

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