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『メン・イン・ブラック:インターナショナル』監督とプロデューサーの対立劇あった ─ 書き直されるシナリオ、増え続ける脚本家たち

メン・イン・ブラック:インターナショナル
(c) 2019 Columbia Pictures Industries, Inc., Hemisphere-Culver III, LLC and Tencent Pictures (USA) LLC. All Rights Reserved.

クリス・ヘムズワース&テッサ・トンプソン主演、『メン・イン・ブラック』シリーズ最新作『メン・イン・ブラック:インターナショナル』の舞台裏に、F・ゲイリー・グレイ監督とプロデューサーのウォルター・パークス氏による激しい対立劇があったという。米The Hollywood Reporterが報じた。

書き直され続ける脚本、なぜ対立劇は起こったか

2016年、米ソニー・ピクチャーズは『メン・イン・ブラック』と、チャニング・テイタム&ジョナ・ヒル主演『21ジャンプストリート』シリーズのクロスオーバーを計画していた。ところが、『21ジャンプストリート』のプロデューサーであるニール・モリッツ氏が条件面で折り合いを付けられず、スタジオはこれを断念。『メン・イン・ブラック』単独の企画にシフトしたわけだが、出演料の関係からウィル・スミスとトミー・リー・ジョーンズを外し、新たな出演者でシリーズを再始動させる道を選んだ。もとはといえば、これが対立劇の始まりといえるのかもしれない。

『メン・イン・ブラック』シリーズの最新作とあって、本作には前3部作に携わったスティーブン・スピルバーグが製作総指揮として、対立劇の中心となったウォルター・パークス氏、ビジネスパートナーであるローリー・マクドナルド氏らがプロデューサーとして復帰。監督には『ストレイト・アウタ・コンプトン』(2015)『ワイルド・スピード ICE BREAK』(2017) のF・ゲイリー・グレイが抜擢された。ところが、ウォルター氏とゲイリー監督は映画のビジョンをめぐって衝突したという。

本作の脚本を執筆したのは『アイアンマン』(2008)『トランスフォーマー/最後の騎士王』(2017)のマット・ホロウェイ&アート・マーカム。The Hollywood Reporterによれば、初期の脚本はよりエッジの効いた、現在の移民問題にも繋がるタイムリーな内容で、ザ・ビートルズ風のバンドが4人1組のヴィランとして登場していたとのこと。ある関係者は「脚本は良かった。そうでなければクリス・ヘムズワースとテッサ・トンプソンを惹きつけることはできなかった」と話したという。

メン・イン・ブラック:インターナショナル
Em (Tessa Thompson) and H (Chris Hemsworth) in Columbia Pictures’ MEN IN BLACK INTERNATIONAL.

そこに介入したのが、かつて『ウォー・ゲーム』(1983)や『スニーカーズ』(1992)で脚本を手がけたウォルター氏だ。映画のファイナルカット権(最終編集権)をもつウォルター氏は、脚本執筆をはじめとするプリプロダクション(事前準備)から撮影開始後まで脚本のリライトに深く関わり、俳優には毎日のように新たな脚本が送られていたという。

脚本の度重なる再執筆は、現場に混乱を招いただけでなく、もともとの脚本が備えていた現代的な感覚を削ぐことにもつながった。この事態を受け、クリス・ヘムズワース&テッサ・トンプソンが各自のセリフを執筆する脚本家を独自に雇ったため、撮影現場では、本来の脚本家であるホロウェイ&マーカムがウォルター氏の指示によってリライトを行い、さらに複数の脚本家が俳優のためにセリフを執筆していたという。ホロウェイ&マーカムからすれば、これ以上の地獄絵図はないだろう。

メン・イン・ブラック:インターナショナル
Em (Tessa Thompson) and H (Chris Hemsworth) in Columbia Pictures’ MEN IN BLACK INTERNATIONAL.




また、ウォルター氏は演出に介入することもあり、ゲイリー監督との衝突は映像の色補正にいたるまで細部で起こっていたとのこと。監督は何度も降板しようとしたが、これはソニー側の説得で防がれたという。ポストプロダクション(仕上げ作業)はスムーズに進行し、大きな再撮影は行われず、テスト試写は主に友人・家族を対象に行われた。ゲイリー監督とウォルター氏がそれぞれの編集版をスタジオに提出したところ、ソニーはウォルター氏のバージョンを選択。ある関係者によれば、スタジオ側は二人の対立について“我関せず”の姿勢を貫いていたという。

こうした舞台裏を、あなたはどう捉えるか。『メン・イン・ブラック:インターナショナル』という作品の経緯や成否を判断することは、あくまでもほかに譲りたい。

ちなみにThe Hollywood Reporterの取材によれば、ある幹部は「私たちの中にエイリアンがいる、というアイデアこそが最大の核」であるとして、「ドラマやストリーミング、新作映画などで、いずれ『メン・イン・ブラック』をもう一度やることになるでしょう」と発言したという。

映画『メン・イン・ブラック:インターナショナル』は2019年6月14日(金)より全国公開中。

『メン・イン・ブラック:インターナショナル』公式サイト:http://www.meninblack.jp/

Source: THR

Writer

稲垣 貴俊
稲垣 貴俊Takatoshi Inagaki

THE RIVER編集部。「わかりやすいことはそのまま、わかりづらいことはほんの少しだけわかりやすく」を信条として、海外の映画・ドラマを中心に執筆しています。日本国内の映画やアニメーションも大好きです。国内舞台作品の執筆・創作にも携わっています。お問い合わせは inagaki@riverch.jp まで。

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