『ミッドサマー』後に半年間うつ状態、フローレンス・ピュー「二度とやるべきじゃない」

フローレンス・ピューにとって、キャリアを広げた一作である『ミッドサマー』(2019)は、精神的に多大な影響をもたらしたようだ。撮影後も半年間、うつ状態に陥っていたと明かしている。
ピューはポッドキャスト「The Louis Theroux Podcast」出演時に「自分自身を消耗させることはできません、だって連鎖反応を引き起こすから」と『ミッドサマー』での経験を振り返った。
「『ミッドサマー』が終わった後も、半年くらい悲しくて、でもどうして落ち込んでいるか分からなかったんです。『ストーリー・オブ・マイライフ/わたしの若草物語』の撮影を終えて戻って、あれは本当に楽しい経験だったし、『ミッドサマー』とは明らかにトーンが全然違ったから、感情を全部棚上げしてしまったんですよね。でもクリスマスに家に帰った時、すごく落ち込んでて“ああ、これは『ミッドサマー』からきてるんだ”って思ったんです。あの時はちゃんと向き合わなかったから、もう二度とそんなことすべきじゃないって思ったんです」
アリ・アスター監督による祝祭ホラー『ミッドサマー』で、心理学を専攻する大学生ダニーを演じたピュー。ダニーはボーイフレンドのクリスチャンやその友人たちとともに、スウェーデンのホルガ村で90年に一度開催される夏至祭に訪れ、そこで遭遇する奇怪な出来事に精神を蝕まれていく。ピューは「あのレベルの悲しみや精神状態を、台本で求められていた形で目にしたことがなかった」と、撮影現場と当時の心境を照らし合わせている。
「だから、私は本当に自分を追い込んでたんです。最初は兄弟の一人が亡くなったと知らせを受けることだけを想像していたけど、中盤になると“いや、棺桶まで想像する必要があるな”って。そうして撮影の終盤には、実際に家族全員の葬儀に参列しているところまできていました」
ピューは「泣くだけではダメで、苦しそうに聞こえる必要があったんです」と表現がエスカレートしていったことを認めている。「そんな風にしたことはそれまでなかったし、“オーケー、これは絶好の機会。やってみなきゃ”って思ってました。そして文字通り、ただ自分を地獄に突き落としました。でももうやりませんよ。本当にめちゃくちゃになったから」と、想いを改めたと話している。
ピューは、これまでにも『ミッドサマー』での体験について幾度もコメントしている。あまりに壮絶だったため、撮了後に役を離れることに罪悪感があったことや、自分の演技を誇りに思っているが、自分自身に敬意を払うべきだったと語っていることからも、貴重な体験には大きな痛みが伴っていたことが窺える。
自身も楽しい経験だったと語る『ストーリー・オブ・マイライフ/わたしの若草物語』では、四姉妹の末っ子エイミーをチャーミングに演じ、その後、『オッペンハイマー』や『サンダーボルツ*』、『We Live in Time この時を生きて』など、ピューは作品ごとに異なる魅力を引き出している。今や大スターの貫禄を備えながらも、折に触れてはメンタルヘルスについて言及してくれるピューは、ファンにとっても非常に心強い存在だ。
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Source: The Louis Theroux Podcast



























