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デヴィッド・フィンチャー、「マインドハンター」今後のアイデアを明かす ─ 「いつかまたやりたい」

マインドハンター
シーズン1 Patrick Harbron/Netflix

『Mank/マンク』を控えるデヴィッド・フィンチャー監督が、Netflixシリーズ「マインドハンター」の今後に関するアイデアを語った。2019年のシーズン2配信後、本シリーズは無期限製作保留となり、“継続は絶望的”ともいわれているが、フィンチャー自身はすべてを諦めたわけではないようで……。

「マインドハンター」はノンフィクション作品『マインドハンター FBI連続殺人プロファイリング班』(早川書房)に基づき、1970~80年代を舞台にFBI行動科学課の特別捜査官が連続殺人鬼のプロファイリングに挑むスリラー。今回、フィンチャーは米Varietyにて「(『マインドハンター』は)いつかまたやりたい」と語っている。

「もともとは90年代後半、2000年代前半まで描きたいと考えていたんです。うまくいけば、デニス・レイダーの家の玄関がノックされるところまで。」

デニス・レイダーとは、1974年から1991年にかけて米カンザス州で10人を殺害した連続殺人鬼。緊縛(bind)・拷問(torture)・殺害(kill)の頭文字から「BTK」と自称し、事件のおぞましい詳細を記した手紙を警察に送っていたことでも知られる。逮捕されたのは2005年なので、“70年代から2000年代前半まで”というアイデアにはふさわしい人物だろう。

もともとフィンチャーは、「マインドハンター」シーズン1からデニス・レイダーを「ADTのサービスマン」として登場させてきた。シーズン2のラストまで頻繁に顔を見せたデニス=サービスマン役を演じたのは、『ペンタゴン・ペーパーズ/最高機密文書』(2017)などにも出演するソニー・バリセンティ。もし順調にシリーズが継続していた場合、デニスの存在がシリーズを貫く縦軸になっていたと考えられる。

ただし、フィンチャーはシーズン2の製作を終えたのちに燃え尽きてしまった。シーズン2では当初の脚本家を更迭して全話を書き直したほか、自身の監督しないエピソードにも目を光らせていたという。その結果、フィンチャーは「マインドハンター」からしばし離れて『Mank/マンク』を製作することになったのである。

現在、フィンチャーはシリーズ再開への意欲を匂わせながらも、「続けることが理にかなっているのかどうかはわからない」と述べた。「すごく予算がかかったんです。熱心なファンはいてくださいますが、かかったコストを正当化できるほどの視聴率にはならなかった」。フィンチャーは以前から予算面の課題に言及しており、意欲だけではいかんともしがたい問題があることも明かしている。

その一方、フィンチャーとNetflixは「マインドハンター」シーズン2のあとに4年間の独占契約を締結済み。Netflix側もシーズン3の製作予定がないことを認めながら、「もしかすると5年後に」とコメントしていた。

Netflixシリーズ「マインドハンター」シーズン1・シーズン2は独占配信中。

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Source: Variety

Writer

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稲垣 貴俊Takatoshi Inagaki

「わかりやすいことはそのまま、わかりづらいことはほんの少しだけわかりやすく」を信条に、主に海外映画・ドラマについて執筆しています。THE RIVERほかウェブ媒体、劇場用プログラム、雑誌などに寄稿。国内の舞台にも携わっています。お問い合わせは inagaki@riverch.jp まで。