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『スター・ウォーズ エピソード4』45年間も行方不明だった幻のXウイングが段ボールから発見される ─ しかしまだ謎も残る

https://entertainment.ha.com/itm/movie-tv-memorabilia/props/screen-matched-hero-red-leader-red-one-x-wing-starfighter-filming-miniature-with-articulating-servo-controlled-wings-and-l/a/7278-89464.s

『スター・ウォーズ エピソード4/新たなる希望』(1977)の撮影で使用されたまま行方が分からなくなっていた“幻のXウイング”が45年ぶりに発見された。

このモデルは、『新たなる希望』のクライマックス、ヤヴィンの戦いの撮影で使用された“レッド・リーダー”のミニチュア機。サーボ制御ウイングとライト機能を備えたもので、デス・スターの細いトレンチに潜り込む大局面の機体クローズアップに用いられた貴重なものだ。この撮影で使用されたXウイングのクローズアップ撮影ミニチュアは4体しか存在せず、そのうちのひとつである。

1978年にインダストリアル・ライト&マジック(ILM)がカリフォルニア州サンフェルナンド・バレーからサンフランシスコ・ベイエリアに引っ越した際に行方不明になったとの言い伝えがあり、関係者の間で長年“白鯨”のように探されていたという。ハーマン・メルヴィルの小説に登場する船長エイハブが長年追い求めた白いクジラのことだ。

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伝説的モデルデザイナーのグレッグ・ジーン(2022年5月に逝去)の遺品を整理していた際、段ボールの中から発見された。ILMのスタッフらが段ボールに何か入っていると気付き、慎重に開いてみたところ、緩衝材の中から長年幻だったXウイングの機首が出現したという。その場に居合わせたVFXの歴史に詳しい専門家ジーン・コジツキは「僕たちはすぐに、これが実際の撮影で使用されたモデルだとわかりました。そして、とんでもないものを発見したという衝撃の実感が湧いてきたのです」と振り返っている。

ジーンは『スター・ウォーズ』の製作には携わっておらず、どのようにしてこのモデルを入手していたのかは謎のまま。自身のコレクションの記録もつけていなかったのだという。『スター・ウォーズ』のスタッフが多く携わったスティーヴン・スピルバーグ監督作『未知との遭遇』(1977)製作中に手に入れたのではないかと、コジツキは推理する。

実に45年間ものあいだ人知れぬ場所で眠っていたため、これまで一度も展示されたこともなく、また手が加えられたこともないという、まさに当時撮影で使用した“そのまま”の状態。「70〜80年代に育った我々や、視覚効果分野で働く我々にとって、このモデルは“ルビーの靴”や“マルタの鷹”の発見に匹敵するほどの一大事なのです」と、コジツキは話している。ルビーの靴とは1939年の映画『オズの魔法使い』で使用され、その後盗まれて長らく行方不明となっていた貴重品のこと。マルタの鷹とは有名なハードボイルド小説に登場する秘宝のことだ。

ロマン溢れる幻のXウイングはオークションに出品されることになる。実際の写真はオークションのWebページで細かく確認することができる。ウェザリングが施された機体は、まさに映画から飛び出してきたかのよう。入札開始額は40万ドル。同じシーンの撮影に用いられた別のモデルは237万5,000ドルで落札されたことがあったが、今回はどうだろう。

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Source:The Guardian

Writer

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中谷 直登Naoto Nakatani

THE RIVER創設者。代表。運営から記事執筆・取材まで。数多くのハリウッドスターにインタビューを行なっています。お問い合わせは nakatani@riverch.jp まで。

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