『マッドマックス 怒りのデス・ロード』続編、いよいよ準備開始 ─ ジョージ・ミラー監督、「アンチ・マッドマックス」な新作も控える

『マッドマックス』シリーズ第4作、トム・ハーディ主演『マッドマックス 怒りのデス・ロード』(2015)のジョージ・ミラー監督が、ファン待望の続編映画をいよいよ準備していることがわかった。米Deadlineにてミラー本人が明らかにした。
『マッドマックス 怒りのデス・ロード』は世界各国で興行的成功を収め、第88回アカデミー賞で6部門を受賞。すぐさま続編が始動するかと思われたが、2017年11月、ワーナー・ブラザースとミラー監督の製作会社ケネディ・ミラー・ミッチェルが製作費や報酬についてトラブルに発展、訴訟に突入した。その後2019年7月、ミラー監督は『怒りのデス・ロード』続編とスピンオフの企画を認め、ワーナーとの和解を示唆していたのである。
現在、ミラー監督はイドリス・エルバ&ティルダ・スウィントン主演『Three Thousand Years of Longing(原題)』を準備中。同作の撮影開始を2020年3月に控えるなか、『怒りのデス・ロード』続編も並行して準備しているという。今回、ミラーは「『マッドマックス』の物語は終わっていません」「この映画の後、『マッドマックス』の新作が登場します。そちらの準備も進めていますよ」と語った。
『Three Thousand Years of Longing(原題)』は「3,000年の憧れ」という意味のタイトルだが、物語の詳細は伏せられており、ミラー監督いわく「ジャンルを決めることさえできない」とのこと。しかし『マッドマックス』続編を求める声の大きさを理解してのものだろうか、「ひとつだけ言えるのは、『怒りのデス・ロード』続編ではないということ」と述べ、その違いを強調することを忘れなかった。
「とてもビジュアルの強い映画ですが、ほとんど『怒りのデス・ロード』とは真逆。ほぼ全編が屋内で、会話の多い映画です。アクションシーンもありますが、それは付随的なもの。“アンチ・マッドマックス”とも言えると思います。」
監督によれば、この新作はずっと構想していたもので、「少なくとも15年は考えてきた物語」だとか。イドリス・エルバとティルダ・スウィントンは脚本に非常に好感を示し、出演を決めたとのこと。ミラーは「今までの2人とはまったく違うことをやってもらえればいいなと思っています」と語った。
『Three Thousand Years of Longing』と『怒りのデス・ロード』を同時に準備しているミラー監督は、「自分はマルチタスクをこなせる人間でありたい」という。ひとつの作品に携わりつつ、別の企画を考えることが、ちょっとした「クリエイティブな休暇」になっているそうだ。このことで企画への客観性を維持できるといい、しかも「映画の種類が違えば違うほど面白い」のだそう。なにせ『怒りのデス・ロード』を準備していた当時、ミラー監督は『ハッピー フィート2 踊るペンギンレスキュー隊』(2011)を製作していたのである。
Source: Deadline