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ゴジラ実写ドラマ「モナーク:レガシー・オブ・モンスターズ」、『キングコング』キャラ再登場の意味は ─ 『髑髏島の巨神』以来の復帰

モナーク:レガシー・オブ・モンスターズ
画像提供 Apple TV+

ハリウッド版『ゴジラ』シリーズを含む「モンスター・ヴァース」初の実写ドラマ「モナーク:レガシー・オブ・モンスターズ」には、思わぬキャラクターが再登場する。『キングコング:髑髏島の巨神』(2017)に登場した、ジョン・グッドマン演じるウィリアム・“ビル”・ランダだ。

この事実は、先日公開されたティザー予告編で明らかになったもの。映像の冒頭から、ランダが「この映像が届くことを願っている。過去に戻り、すべての過ちを正すことはできないが、未来に残せるものはある。遺産(レガシー)を」と語りかけるのだ。

本作は『ゴジラ』シリーズと『キングコング:髑髏島の巨神』のそれぞれで描かれてきた世界観を、改めてひとつの世界観に落とし込むかのような作品だ。映像を見れば、『GODZILLA ゴジラvsコング』(2014)のサンフランシスコの戦いを思わせる都市の混乱と、『キングコング:髑髏島の巨神』で描かれた自然と怪獣の関係が、ひとつの作品で共存していることがうかがえる。

たとえば、映像の中に登場する未知の翼竜や怪獣(「タイタン」と呼ぶべきだろうか)は、東宝怪獣というよりも『キングコング:髑髏島の巨神』の怪獣像に近いデザイン。映像終盤にはランダがクモのような脚を持つ怪獣から逃げているシーンもあるが、髑髏島に生息していたバンブー・スパイダーをどこか思い出させるデザインではないか。

『キングコング:髑髏島の巨神』より ©2016 WARNER BROS.ENTERTAINMENT INC., LEGENDARY PICTURES PRODUCTIONS, LLC AND RATPAC-DUNE ENTERTAINMENT LLC. ALL RIGHTS RESERVED

こうしたモンスター・ヴァースの広大な世界観を統合する“人間側”のキャラクターとして、ランダが選ばれたのは必然的だっただろう。『キングコング:髑髏島の巨神』でランダは命を落としたため、ティザー予告に映っている未来へのメッセージは、ランダが髑髏島への訪問以前に収録していたものと考えられる。彼が訪れているのは髑髏島なのか、それともまた別の島なのか?

ランダと本作のつながりを探るうえで、鍵を握るのがアンナ・サワイ演じる女性だ。Apple TV+の公式ページによると、サワイが演じるのはケイト・ランダ役。ビル・ランダとなんらかの血縁関係にあることは確かだろう。『キングコング:髑髏島の巨神』で主に描かれた1973年、すでにビルは年を重ねていたから、現代を生きるケイトは孫世代にあたるはず。もっとも、直接の孫かどうかは不明だが……。

モナーク:レガシー・オブ・モンスターズ
画像提供 Apple TV+

ここで振り返っておきたいのが、本作のストーリーラインだ。「モナーク:レガシー・オブ・モンスターズ」は、父親の足跡をたどり、自分たちの家族と特務機関モナークの関係を探る2人のきょうだいが、陸軍将校リー・ショウ(カート・ラッセル&ワイアット・ラッセル)に出会う物語。1950年代とその半世紀後を舞台に、3世代にわたるスケールの出来事が扱われるという。

キャスティングにはさらなるヒントが埋め込まれている。リー・ショウ役は、実際の親子であるカート・ラッセルとワイアット・ラッセルが年老いた現在と若い頃をそれぞれ演じるが、同じくApple TV+の公式ページによれば、アンダース・ホームが若きビル・ランダを演じると記されているのだ。おそらく若きリー・ショウとランダは出会っており、本作ではその過去が描かれるのだろう。

では、父親の足跡をたどる“2人のきょうだい”とは何者か。ティザー映像では、ケイトがカーシー・クレモンズ演じるメイ、渡部蓮演じるケンタロウと3人で同じモニターを見つめるシーンがある。もしもアンナとケンタロウが姉弟なら、ビルの世代と彼らをつなぐ“父”がモナークに関係していたはずで、こちらも重要人物に違いない。もしや、同じくティザー予告で出演が判明した平岳大の役柄がそれにあたるのだろうか?

ケイトはアメリカと思しき都市でゴジラと対面しているが、モナークの真実を知るべく、ビル・ランダと同じように髑髏島を訪れるかどうかも気になるところ。すべての真相が明かされるまで、もうあと少しといってよい。

「モナーク:レガシー・オブ・モンスターズ」は、2023年11月17日(金)よりApple TV+にて全世界独占配信。全10話構成で、初回2エピソードののち、2024年1月12日まで毎週金曜日に新エピソードが配信される。

Writer

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稲垣 貴俊Takatoshi Inagaki

「わかりやすいことはそのまま、わかりづらいことはほんの少しだけわかりやすく」を信条に、主に海外映画・ドラマについて執筆しています。THE RIVERほかウェブ媒体、劇場用プログラム、雑誌などに寄稿。国内の舞台にも携わっています。お問い合わせは inagaki@riverch.jp まで。

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