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【インタビュー】映画『モンスターハンター』なぜ別世界? ─『メタルギアソリッド』からの影響、監督が原作愛を語る

モンスターハンター
©Constantin Film Verleih GmbH

メタルギアソリッド ピースウォーカー』からの影響

モンスターハンター
(c) Constantin Film Verleih GmbH

──モンスターを相手に現代兵器で戦う場面が登場しますが、『メタルギアソリッド ピースウォーカー』を彷彿とさせられました。『モンスターハンター』とのクロスオーバーでもおなじみのゲームですが、こちらについてはご存知でしたか?

もちろんです。『モンスターハンター』と『メタルギアソリッド』のクロスオーバーは、現代の軍隊と美しい神話の風景・生き物が見事に融合していて、私自身すごく感銘を受けましたので。

それと『モンスターハンター』のゲームにはいないキャラクターを映画に登場させたいとずっと思っていました。ゲームをプレイする時は、セットされたキャラクターではなく、オリジナルのキャラクターを作成しますよね。そうして現実世界から別の世界へと入り込んでいくわけですが、その感覚は本当に素晴らしかったです。

そんな感覚は新鮮な目を通してでなければ感じることは出来ないでしょう。だから、その世界を今までに見たことがないような、私たちの世界からのキャラクターを、映画に投入する必要があるとなったわけです。

──それでは、現代兵器だけでなく現実世界の人間が別の世界に足を踏み入れていくという展開も、『メタルギアソリッド ピースウォーカー』からの影響があったというわけですね。

『メタルギアソリッド』とのクロスオーバーのアイデアは本当に画期的だと思いました。極限の世界に現実世界の兵士を投入することで、現実世界にあるものがいかにこの世界では通用しないのかが浮き彫りになるので。私たちは、テクノロジーやガジェット、電話、武器、車に厚い信頼を置いています。ただこれらはどれも、『モンスターハンター』の世界では通用しないんですよ。それこそ現代兵器は、モンスターではなく人間を殺すために設計されているものですからね。

それとゲームをプレイしていくと、ゲームの醍醐味のひとつが失敗を重ねることであると気付きます。はじめてモンスターと戦う時はかなり苦戦したり、徹底的にやられたりしますよね。

それらの発想から、見知らぬ世界に迷い込むという設定を思い浮かび、どうにかなると思い込んでおり、タフなアルテミスチームをコテンパンにするという展開も思い付いたんです。もちろん最終的には、モンスターたちの狩猟方法をしっかりと身に付けて行く必要がありますけどね。この映画ではそれが、トニー・ジャーのキャラクターだったり、ロン・パールマンのキャラクターだったりするわけです。

モンスターでアクションシーンの差別化

『モンスターハンター』
(c) Constantin Film Verleih GmbH

──リオレウスやディアブロスは、『モンスターハンター』シリーズを代表する存在ではありますが、ネルスキュラはシリーズを通して登場している回数は決して多くありません。それにもかかわらず、ネルスキュラを登場させようと思った理由や意図を教えてください。 

繰り返しにはなりますが、ネルスキュラは私のお気に入りなのと、ゲームをプレイしている時にとてつもなく恐怖を感じたからです。私をここまで怖いと思わせるのであれば、観客にも同じ思いを与えることが出来るのではないかと思ったわけですね。サスペンスに満ちた瞬間が映画には必要で、暗闇の中に巻き込まれていくという構図は最高だなと思いました。それと、モンスターと戦う場面が何回かありますが、同じようなアクションシーンが、映画を通して繰り返されていると思われないようにしなければなりませんでした。

──モンスターでアクションシーンの差別化を図ろうと考えたわけですね。

ディアブロスは、砂の中から突然現れて襲い掛かります。ネルスキュラは狭い空間に敵を追い込み、サスペンスに満ちたより強烈な雰囲気にさせます。そしてリオレウスは空を舞いますよね。とにかく、さまざまなタイプのモンスターを登場させることで、あらゆるアクションを見せられるようにしました。

──小型モンスターのアプケロスについてはいかがでしょうか?

ゲームの美しい世界観を描くために重要な存在だと思いました。壮観な風景の大地を探索している中では、アプケロスのような美しい生き物たちを目にしますよね。彼らは草食種であり、植物をただ食べたいだけで、人間を食べたいわけではないんです。劇中のように何かに巻き込まれることがなければ、基本的には暴れることも、人間に対して攻撃的になることもありません。なので、ゲームの世界観における美しさと不思議さを見せるためにも必要不可欠でしたね。

Writer

Minami
Minami

THE RIVER編集部。「思わず誰かに話して足を運びたくなるような」「映像を見ているかのように読者が想像できるような」を基準に記事を執筆しています。映画のことばかり考えている“映画人間”です。どうぞ、宜しくお願い致します。

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