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【インタビュー】映画『モンスターハンター』なぜ別世界? ─『メタルギアソリッド』からの影響、監督が原作愛を語る

モンスターハンター
©Constantin Film Verleih GmbH

──オリジナルモンスターを映画の中で登場させようとは考えなかったのでしょうか? 

それは全く考えませんでした。ゲームのモンスターのデザインに惚れ込んでいたので。だから、モンスターのデザインを細部まで正確に再現するために、(ゲーム『モンスターハンター』開発者の)藤本さんや辻本さんと長い時間かけて話し合いましたよ。

──モンスターが倒れ込む姿など、細かい動作まで見事に再現されていて驚きました。

ありがとうございます。とても長いプロセスでした。すべてのショットを完璧に仕上げるのに1年以上掛かりましたからね。私が東京に行って藤本さんと辻本さんと相談することもあれば、ロサンゼルスに彼らが来られて最新の編集を見るというようなこともありました。モンスターのビジュアルだけでなく、正しい動作を行っているかまで見てもらいましたよ。とても協力的で生産的な関係でしたね。彼らはこの世界の門番的な存在なので、彼らに納得してもらえれば、ファンも納得してもらえるだろうなと思っていました。

日本の製作陣からのアドバイス

『モンスターハンター』
(c) Constantin Film Verleih GmbH

──ファンの納得ということですが、『モンスターハンター』シリーズにはコアなファンがたくさんいますよね。そんなゲームを映画化することは怖くありませんでしたか? 

ファンを喜ばせることが映画の要のひとつであるとは私自身も認識していました。だからこそ、藤本さんや辻本さんと緊密に協力することにしたんです。『モンスターハンター』の世界を作り上げたのは彼らふたりで、だからこそ彼らは自分たちの仕事に対しても、私の仕事に対しても誰よりも厳しく見定めてくださいました。ですので繰り返しにはなりますが、ふたりを喜ばせることが出来れば、ファンも満足させられるだろうと考えていましたね。

──何かふたりからもらった印象に残っているアドバイスはありますか?

藤岡さんからメモをもらうことがありました。ディアブロスの足指の爪はもっと尖っていたのですが、“もっと丸くする必要がある”というふうに書かれていたことを覚えています。“ディアブロスとのアクションシーンでそんなところに気付く人はいるのか?”と思ったりもしたのですが、藤岡さんが気付くのであれば、ほかのファンも気付くだろうと思い直しました。とにかくすべてを正しく描きたかったので、メモをもらうたびに調整しましたよ。

一番好きな武器はヘビィボウガン

『モンスターハンター』
(c) Constantin Film Verleih GmbH

 ──監督が一番好きな武器は何でしょうか? 

ヘビィボウガンです。素晴らしい武器ですよね。私は遠距離から射撃していたいタイプなんです。だから、ミラの方が私よりも勇敢ですよね。彼女はゲームをプレイしているとき、相手の目の前に行き、双剣でひたすら斬りつけていますから。それにもかかわらず、私はいつも後ろにいます(笑)。

 ──そんなヘビィボウガンを劇中に登場させなかった理由はなぜでしょうか?

アルテミスのチームが既に発射体の武器を使っていたので、映画には登場させないことにしました。

──トニー・ジャーは劇中で大剣と弓を主に使っていますよね。そんなトニーは現実世界でも凄く強いわけですが、彼であれば武器がなくても、モンスターを狩猟できるとは思いませんか?  

トニーは間違いなく超人ですが、それでもディアブロスと戦う時は流石に武器は必要です(笑)。ただ、トニーが超人であることは製作に本当に役立ちました。バク転を軽々しくやってのけるような人ですし、「ワイヤーを使わないようにしましょう。リアルでやります」といって、アクション映画界に革命を起こしてきた人ですからね。

そんな超人である彼の存在は、巨大な武器を扱う本作では必要不可欠でしたよ。ゲームでキャラクターを操作している時、そこに重力の法則はありません。それを映画では、生身の人間に求めるわけですが、トニーは本当に強くて器用で、巨大な弓と剣を同時に使いこなせるんですよ。そんな男は多くいません。本当に助かりました。

──ほかにも登場しなかった武器がありますが、これには何か理由はありますか?

15年以上も続いているシリーズなので、モンスターも武器もかなりの数が存在しますよね。ただ、それらをすべて登場させるのは現実的に無理がありました。それでカプコンと協力して、ファンが最も気に入っているものを調べて、それらだけは外さないようにしたんです。

Writer

Minami
Minami

THE RIVER編集部。「思わず誰かに話して足を運びたくなるような」「映像を見ているかのように読者が想像できるような」を基準に記事を執筆しています。映画のことばかり考えている“映画人間”です。どうぞ、宜しくお願い致します。

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