『ゴジラ』モンスター・ヴァースは人間キャラに魅力がない? ─ 「モナーク」監督が批判に応答

ハリウッドにて展開中の「モンスター・ヴァース」は、『ゴジラ』シリーズや『キングコング 髑髏島の巨神』(2016)などからなる、世界でも類を見ない“巨大怪獣フランチャイズ”だ。『ゴジラvsコング』(2021)の続編『Godzilla x Kong: The New Empire(原題)』を控える今、初のドラマシリーズ「モナーク:レガシー・オブ・モンスターズ」もApple TV+にて配信されている。
もっとも、日本で東宝怪獣映画が盛んに製作されていた時代から、“怪獣もの”にはひとつの課題がついて回った。それは、怪獣が主役である物語において、いかに人間たちを面白く描くかということ。人間ドラマの充実や、人間キャラクターの魅力には多くの作り手が頭を悩ませてきたのだ。
「モンスター・ヴァースに限らず、ゴジラ映画や怪獣映画には、人間のキャラクターに魅力や特徴がないという批判があります」。米Discussing Filmのインタビュアーは、「モナーク」のマット・シャックマン監督に自身の見解を尋ねた。すると、シャックマンは「モンスター・ヴァースについては、僕の意見は違います」と答えている。
「『キングコング 髑髏島の巨神』には、サミュエル・L・ジャクソンやジョン・グッドマン、ジョン・C・ライリー、ブリー・ラーソン、トム・ヒドルストンといった素晴らしい登場人物がいました。(モンスター・ヴァースは)それぞれに特徴的で、ユニークな物語だと思います。」
シャックマンが製作総指揮を兼任する「モナーク」は、怪獣のいる世界を舞台としながら、あくまでも人間を中心とした物語だ。「怪獣アクションを人間の視点から描く、地上の目線で物語を描く。そのことが大切だった」という。「ゴジラと同じ高さまで上がるのではありません、そういう映画はたくさんあるから。私たちは“怪獣の事件が人々にどんな影響を与えるか”に関心があったのです」。
THE RIVERによる取材でも、シャックマンはテレビシリーズならではのストーリーテリングについて、自らの考え方を明かしていた。いわく、「2時間の映画なら、怪獣の戦いが上空で繰り広げられるエキサイティングな時間を過ごしてもらえる。しかしテレビの場合、皆さんに登場人物への愛情を持ってもらい、毎週見たい、彼らを応援したいと思ってもらう必要がある」。
「モナーク:レガシー・オブ・モンスターズ」はApple TV+にて配信中。毎週金曜日に新エピソードが追加され、最終話は1月12日に配信される。いよいよ物語は後半戦だ。
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Source: Discussing Film