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【ネタバレ】「ムーンナイト」第4話、エンディング解説 ─ 衝撃演出の意図とは?

ムーンナイト
(C) 2022 Marvel

この記事には、「ムーンナイト」第4話『アメミットの墓』のネタバレが含まれています。

第4話『アメミットの墓』エンディングあらすじ

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(C)2022 Marvel

「ムーンナイト」第4話『アメミットの墓』では、シリーズの序盤から二重人格を題材とした映像演出に混乱したであろうファンに、更なる混乱が訪れた。物語のエンディング、アレクサンダー大王の墓からコンスを封印した石“ウシャブティ(神像)”を発見したスティーヴン・グラント/マーク・スペクターだったが、その直後アーサー・ハロウの陣営に囲まれ、その時の人格だったマークが胸に銃弾を食らってしまう。マークはそのまま後方に倒れ、小さな丸い光のある水底へと沈んでいった。

しかし、その穴はいつしか懐中電灯のライトへと変わっており、『インディ・ジョーンズ』シリーズを彷彿とさせる映画『トゥーム・バスター』の本編に切り替わっていた。登場人物の冒険家はスティーヴン・グラント博士と呼ばれており、この映像は内観オールホワイトの精神病棟に設置されたテレビを通して再生されていたようだ。エジプトの墓から謎だらけの精神病棟。このシークエンスの切り替わりはなんだか、『2001宇宙の旅』(1968)のラストとどこか似ている気もするが、その病棟で死んだと思われたマークが目を覚ます。

明らかに様子がおかしいマークは車椅子に縛られており、そこにレイラと同じ容姿の女性がやってくる。状況が読めないマークは取り乱し、逃げ出そうとするも保護され、再び目を開くと精神病院の院長らしき男の部屋に案内されていた。その男は、マークを撃ったアーサー・ハロウの姿をしていた。

その後、病棟からの脱走を図ったマークは、なぜか棺に閉じ込められていたスティーヴンを救出し、合流。2人が逃げた先の扉を開け、カバの姿をしたキャラクターと鉢合わせたところで物語は幕を閉じている。

MCUといえば、近年でも「ワンダヴィジョン」(2021)や「ロキ」(2021)などで時空間を巧みに操った複雑な演出が採り入れられてきたが、「ムーンナイト」第4話の展開は難解というべきか、カオスというべきか、とにかく複雑だ。米Entertainment Weeklyでは、第4話の監督を務めたアーロン・ムアヘッドとジャスティン・ベンソンが衝撃のエンディングについて口を開いている。

着想元は原作コミックに

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ムアヘッドとベンソンによると、第4話のエンディングは「これまでの4話で築き上げてきたキャラクターに忠実でありながら、観客を完全に困惑させるような、予想外の出来事を描きたい」という思いから生まれたという。そのアイデアの大きな着想となったのが、「ムーンナイト」の原作コミックだった。

「ジェフ・レミアが書き、グレッグ・スモールウッドがアートを担当した『ムーンナイト』の1話では、第4話の最後で起きたこととビジュアルの面で似た雰囲気があるんです」とはムアヘッドの談。「オリジナルのコミックに敬意を払えてとても嬉しかったですし、その話こそ、私たちがこのシリーズを解読しようとしていた時に一番惹かれたものでした。そこがインスピレーションの源です」とムアヘッドは説明する。「ビジュアルもそうだし、トーンもそう」。

ムアヘッドに同調するようにベンソンも、参考にした原作コミックのエピソードについて言及している。「あの回にはアイコニックなコマがたくさんあるんです」と語りながら、そこで描かれるシークエンスをピックアップした。

「僕たちのヒーロー(ムーンナイト)が精神病院からずっと抜け出そうとしているシークエンスがあるんです。彼は最終的に脱出に成功する。その後飛び降りるんですけど、次の瞬間、彼は飛行機の上にいることに気づくんです。そこからフリーフォールしていく。もちろん、これがドラマで起こるということではないですよ。でも僕たちは、そのスピリットを、そのままとは言わずとも、雰囲気を保ったまま(映像として)捉えたと感じています。」

第4話では、実体を持った(ように見える)マークとスティーヴンが、初めて直接対面を果たす。これまで2人は反目しあっていたが、いざ再会すると熱い抱擁を交わしていた。ベンソンによると、この展開もコミックに着想を得たもの。ベンソンはコミックのあるエピソードについて「イメージとして完全にピンときた」と語っており、詳細をこう続けている。

「マーク・スペクターが自分に対してハグをして、“じゃあな、マーク”と言うんです。これは彼の集大成で、自分を理解した時のこと。僕たちはまだ物語の終わりにいませんが、2人(マークとスティーヴン)の対立にこうした雰囲気があると感じたんです。彼らは協力し始めて、互いに敬意を払うようになる。2人が初めて会った時、直感的に抱き合うじゃないですか?これこそ、残りのエピソードへ導いていくものになるんです。その瞬間を捉えたかったのです。」

この記事には、「ムーンナイト」第4話『アメミットの墓』のネタバレが含まれています。

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SawadyYOSHINORI SAWADA

THE RIVER編集部。宇宙、アウトドア、ダンスと多趣味ですが、一番はやはり映画。 "Old is New"という言葉の表すような新鮮且つ謙虚な姿勢を心構えに物書きをしています。 宜しくお願い致します。ご連絡はsawada@riverch.jpまで。

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