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映画音楽の巨匠エンニオ・モリコーネの自伝『あの音を求めて』発売 ─ 本人が「正真正銘の最良の書」と認定

クエンティン・タランティーノ、ジュゼッペ・トルナトーレ、ブライアン・デ・パルマ、セルジオ・レオーネら、数々の映画監督に愛された“映画音楽のマエストロ”、エンニオ・モリコーネの自伝『あの音を求めて モリコーネ、音楽・映画・人生を語る』が2022年10月26日に発売される。

『荒野の用心棒』(1964)『夕陽のガンマン』(1965)『死刑台のメロディ』(1971)から『ワンス・アポン・ア・タイム・イン・アメリカ』(1984)『ニュー・シネマ・パラダイス』(1988)『ミッション』(1986)『アンタッチャブル』(1987)『海の上のピアニスト』(1988)『鑑定士と顔のない依頼人』(2013)、そして『ヘイトフル・エイト』(2015)まで。

本書は、これまで数え切れないほどの映画に携わってきたモリコーネ自身が「疑いの余地なく、わたしに関して書かれた本のうち、詳細にわたり丁寧に検討された正真正銘の最良の書。真実の書である」と評価した決定版。巨匠エンニオ・モリコーネと、若き音楽家アレッサンドロ・デ・ローザとの対話によって、その生涯と創作の真実が語られていく。

映画音楽は、映画という芸術に対して何をすることができるのか。音楽としての純粋性を損なうことなく、大衆が理解可能な音楽はいかにして可能か。音楽は人と人をどのように結びつけることができるのか。そして、なぜ人は作曲を続けるのか……。モリコーネの人生、映画音楽家としての活動と経験、その音楽が生まれた契機と育まれた経緯のほか、彼が生きた歴史・社会・文化的状況をめぐる思いのすべてが綴られる。

モリコーネが作曲を学び、ジョン・ケージと出会った学生時代、そしてプロとしてキャリアをスタートしてからの下積み期間。そして、セルジオ・レオーネやベルナルド・ベルトルッチ、ピエル・パオロ・パゾリーニ、ダリオ・アルジェント、ジュゼッペ・トルナトーレ、ジョン・カーペンター、オリヴァー・ストーン、ブライアン・デ・パルマ、ペドロ・アルモドバル、ロマン・ポランスキー、クエンティン・タランティーノらとのコラボレーションに至るまで、そのすべてが詳細に語られる。

なお巻末には、ベルトルッチやトルナトーレ、ルイス・バカロフをはじめ、カルロ・ヴェルドーネ、ジュリアーノ・モンタルド、ボリス・ポレーナ、セルジオ ・ミチェーリといった映画界と音楽界を代表する面々の証言も収録された。

惜しまれながら2020年7月に逝去したモリコーネだが、2022年11月には「エンニオ・モリコーネ オフィシャル・コンサート・セレブレーション」が東京にて開催されるほか、2023年1月13日(金)にはドキュメンタリー映画『モリコーネ 映画が恋した音楽家』が公開される。自伝本・コンサート・ドキュメンタリーと、さまざまな角度から改めて巨匠の仕事に迫る絶好の機会だ。

『あの音を求めて モリコーネ、音楽・映画・人生を語る』

書名 『あの音を求めて モリコーネ、音楽・映画・人生を語る』
著者 エンニオ・モリコーネ+アレッサンドロ・デ・ローザ
石田聖子+岡部源蔵
解説 小沼純一
発売日 2022年10月26日(水)
判型/ページ数 A5判・上製/536頁
価格 本体 4,200円+税
ISBN 978-4-8459-2027-3
出版社 フィルムアート社

目次

序:この対話が生まれた経緯

第1章:メフィストとの契約:チェスに興じながら

第2章:映画の国の音楽作曲家
編曲修行/映画デビュー/セルジオ・レオーネと《ドル箱三部作》/ピエル・パオロ・パゾリーニ/パゾリーニに白旗をあげる/その他のコラボレーション、実験、活躍/同意か消費か?

第3章:音楽と映像
テーマがない? もっと楽しいじゃないか!/劇中の歌と歌手/ハリウッド・デビューを振り返って/苦悩と実験/映画を超えて、音楽を超えて

第4章:神秘と職業
創造の神秘/音楽とは何か?/自分自身の探求/余談

第5章:絶対音楽?
原点/時代の闘争に対する答え――「動的不動」に向けて/音楽における創造説と進化論/信仰――生命と宇宙の起源/神秘的制作/結束の理想――融合と希望/言語的交流、形式、組み合わせ/音楽の未来――雑音と沈黙

第6章:未来に向けた静かな合意

付録:証言
ボリス・ポレーナ
セルジオ・ミチェーリ
ルイス・バカロフ
カルロ・ヴェルドーネ
ジュリアーノ・モンタルド
ベルナルド・ベルトルッチ
ジュゼッペ・トルナトーレ

絶対音楽年表
応用音楽年表
掲載写真クレジット
謝辞
人名索引

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Writer

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稲垣 貴俊Takatoshi Inagaki

「わかりやすいことはそのまま、わかりづらいことはほんの少しだけわかりやすく」を信条に、主に海外映画・ドラマについて執筆しています。THE RIVERほかウェブ媒体、劇場用プログラム、雑誌などに寄稿。国内の舞台にも携わっています。お問い合わせは inagaki@riverch.jp まで。

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