アンディ・サーキス版ジャングル・ブック『モーグリ』2019年にNetflixで配信へ ― 劇場公開見送り、3D版も配信の計画

ラドヤード・キップリングの文学作品『ジャングル・ブック』を映画化した、俳優アンディ・サーキスの監督作品『モーグリ(邦題未定、原題:Mowgli)』がNetflixにて2019年に世界配信されることがわかった。本作は2018年10月5日に米国公開される予定だったが、Netflixが全世界での配給権をワーナー・ブラザースから購入、劇場公開は見送られるという。米Deadlineが報じている。

『ジャングル・ブック』の映画化といえば、ジョン・ファヴロー監督によるディズニーの実写映画版(2016)が記憶に新しいが、アンディによる『モーグリ』は原作をふまえて“最もダークなアプローチ”で挑む一作だ。クリスチャン・ベールベネディクト・カンバーバッチケイト・ブランシェット、そして監督を務めるアンディがモーション・キャプチャーで動物たちを生き生きと演じる。

Netflixにとって『モーグリ』の配給権獲得は史上最大の取り組みだ。これまで『クローバーフィールド:パラドックス』(2018)や『アナイアレイション -全滅領域-』(2018)などの権利を取得してオリジナル作品として配信してきたNetflixだが、ワーナー・ブラザースという巨大スタジオの大作映画を購入したことは、今後の野心的展開すら想像しうるほど大きな決断といえる。なおアンディは『モーグリ』の3D版制作に力を注いできており、Netflixは3D版の配信を計画しているとのことだ。

アンディ監督による『モーグリ』は、ディズニー版と同じくラトヤード・キップリングの小説を原作としているが、大人向けの作品を志向し、映画全体を「よそ者が自分のアイデンティティを見つける」物語として捉えているという。
またアンディは、原作者のラトヤード・キップリングがインドで育ち、イングランドに移住していること、そこで攻撃やいじめの対象とされたことが『ジャングル・ブック』や主人公モーグリには反映されていると考えたようだ。「彼の物語や詩の多くには人種差別の要素があるし、当時の政治的な状況が反映されている」として、自身の映画版ではインドの階級社会や植民地化を主題として取り入れていることを明らかにしている。

 

このように『モーグリ』とディズニーによる『ジャングル・ブック』には大きな違いがあるわけだが、ワーナーやアンディ監督は、まだ記憶に新しいディズニーの実写版と戦わねばならないことを重圧に感じていたという。そこで制作チームは、Netflixによる配信を得ることで大きな差別化に踏み切ったようだ。Netflixでの配信について、アンディはこうコメントしている。

「『モーグリ』をNetflixが扱うことにとても興奮しています。ほかの映画と比較されることを避け、プレッシャーから解放されるわけですから。3D版を観ましたが、格別の出来で、2D版とは違ったものになっています。非常に豊かで深みがあり、劇場的な要素もある。私が一番期待しているのは、この作品や、この映画のメッセージをどう提供するかということについて、Netflixが先進的な考えを持っていることです。」

またアンディは、Netflixが自由に作品を作らせてくれたことを強調しているほか、与えられた環境を非常に前向きに捉えていることを明らかにしている。残念ながら劇場公開は見送られるが、Netflixが本作でどんな鑑賞体験を与えてくれるのか、そのアイデアやプランに注目しよう。

映画『モーグリ(邦題未定、原題:Mowgli)』は2019年にNetflixにて配信予定

Source: Deadline
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