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【ネタバレ】『マトリックス レザレクションズ』カットされてしまったモーフィアスの見せ場とは ─ 断念のワケ、脚本家が語る

マトリックス レザレクションズ
©2021 WARNER BROS. ENT. ALL RIGHTS RESERVED.

この記事には、『マトリックス レザレクションズ』のネタバレが含まれています。

マトリックス レザレクションズ
©2021 WARNER BROS. ENT. ALL RIGHTS RESERVED.

本作に登場するモーフィアスは、3部作でローレンス・フィッシュバーンが演じたモーフィアスとは全くの別者。新たに構築された仮想空間内でエージェント・スミスとしての役割を与えられていた彼は、ミッションの途中にバッグス(ジェシカ・ヘンウィック)という名の女性に遭ったことで真実を知り、現実世界へと解放された。しかし、バッグスたちとは違い、モーフィアスは実体を持たないプログラム。現実世界では、粒子を使った具現化技術により、“身体”を得ていた。

モーフィアスといえば、本作でも道場での格闘シーンが印象的であった。しかし、脚本家のアレクサンダル・ヘモンによれば、現実世界を舞台としたマシンとのバトルシーンも構想されていたという。米AV Clubに「断念しなければならなかったもので一番楽しみにしていたのは、マシンの会話です」と語るヘモンは、カットの理由について「これをやるには費用が高くて。もしやろうとしていたら、CGの費用は莫大だったでしょう」と説明。そしてどうやら、この一連の会話シーンにモーフィアスの見せ場があったようだ。

「マシンシティーには、すごく精巧で攻撃的なマシンもいるはずでした。そのマシンには、“アニマリウム(Animalium)”と名前もつけられてもいて。モーフィアスがこの大きな機械モンスターと戦うことになっていたのです。善良なマシンと邪悪なマシンがもっと目立つはずだったのですが、コストの面で厳しかった。

マシン同士の会話を用意していたのは僕なので、理解できることもあります。“マシンが人間と同じことを話す”ということ(のロジック)を自分で納得しきれなかったので。会話はお粗末なものでした。それでマシンの会話を描くことができないと気づいたのです。」

モーフィアスのバトルシーン以前に、気になるのは“アニマリウム(Animalium)”という名の機械モンスターだ。『レザレクションズ』では、人間とマシンが共存するようになったという設定が与えられており、ジベーベやクジャクといった善良なマシンたちはミッションに欠かせなかった。一方で、“センティネル”という名で知られる狂暴なマシンの存在感は薄く、物語における“闘い”の焦点は仮想空間内に当てられていた。

ヘモンが構想していた案が実現していれば、『マトリックス レボリューションズ』(2003)で描かれたザイオンでの最終決戦を越えるような現実世界のバトルが描かれていたかもしれない。粒子という性質上、自由自在に移動できる新生モーフィアスによる戦闘も本編に織り込まれていたら、物語の一つの大きな見せ場となっていただろう。

なおヘモンは、脚本執筆当時に結実させることができなかったマシンの会話シーンについて諦めたわけではないようで、「当時は出来なかったけれど、今なら書けるかもしれません」と意欲的。『レザレクションズ』以降、フランチャイズがどう進むのかは定かでないが、ヘモンは「次ですね」と続編でのリベンジに前向きでいる。

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Source: AV Club

Writer

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SawadyYOSHINORI SAWADA

THE RIVER編集部。宇宙、アウトドア、ダンスと多趣味ですが、一番はやはり映画。 "Old is New"という言葉の表すような新鮮且つ謙虚な姿勢を心構えに物書きをしています。 宜しくお願い致します。ご連絡はsawada@riverch.jpまで。

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