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【インタビュー】『マトリックス レザレクションズ』モーフィアスは「独自の存在」、俳優が語る『マトリックス』の新章

マトリックス レザレクションズ
©2021 WARNER BROS. ALL RIGHTS RESERVED

数々の影響を後世に与えた伝説のSFアクションマトリックス』シリーズの最新作『マトリックス レザレクションズ』には謎が多い。この意味でとりわけ注目を浴びているキャラクターといえば、『アクアマン』(2018)や「ウォッチメン」(2019-)などで知られるヤーヤ・アブドゥル=マティーン2世が演じるモーフィアスである。

モーフィアスと聞くと、『マトリックス』3部作でローレンス・フィッシュバーンが演じたネブカデネザル号の船長のことを頭に思い浮かべるはず。なぜ同じ名前のキャラクターが『レザレクションズ』で登場するのか。そもそもフィッシュバーン版のモーフィアスとは全くの別人なのか。同一人物なのか。次から次へと疑問が出てくるが、これには演じる側もさぞ混乱したことだろう。

2021年12月17日(金)の日本公開に先がけて、THE RIVERはモーフィアス役を演じたヤーヤ・アブドゥル=マティーン2世に合同インタビューを電話で実施。本編鑑賞前ということで謎だらけの取材陣に、ヤーヤもネタバレを避けるため、慎重に言葉を選びながら応じてくれた。

マトリックス レザレクションズ
©2021 WARNER BROS. ENT. ALL RIGHTS RESERVED.

「若返ったという解釈」は誤り、その正体とは

── (一同)よろしくお願いします!

よし、やりましょう!と、その前におはようございます。僕がいる場所では「おはようございます」と言う時間なんですけれど、とにかく今日はお集まりいただきありがとうございます。言える範囲で、色々とお話できることが楽しみです。

── ありがとうございます。さっそく質問に入らせていただきます。モーフィアス役にはどのようなプロセスで決定したのでしょうか?オーディションの流れを教えて下さい。

オーディションは2回ほど受けました。とにかく、ラナ(・ウォシャウスキー監督)と時間をかけて話し合いました。僕の人生やバッググラウンドについて、あとは演技についても少しだけ話しました。脚本の内容についてはほとんど話さなかったです。もしかしたらご一緒することになるかもしれない方たちと会うための場でしたね。オーディション中、ラナはとても興味を示されていましたし、彼女が作り上げようとしていた『マトリックス』のためだけのクリエイティブなコミュニティに僕が適応できるかを確認されていたのではないかと思います。

この映画では、作品を完成させることと同じだけ、作るまでの過程を経験することが大切でした。30分ほどかけて人生について話すこともありました。実際に作品の中身について話していったのは、それからです。ラナはご自身の目で見て理解を深めるタイプだから、僕たちが幾つかのシーンを演じて、それを彼女が撮影して。演技の側面から考えると、とてもシンプルなプロセスでした。オーディションでユニークだったことといえば、アーティストとしてお互いをあらかじめ知る機会が与えられていたことです。大規模な企画では、そういつもあることではないですから。

── 『マトリックス レザレクションズ』であなたがモーフィアスを演じると発表された時、多くのファンが混乱したと思います。今作でのモーフィアスは、何者なのでしょう?モーフィアスは若返ったということなのでしょうか。

本作で目の当たりにするモーフィアスは、若返ったという解釈には当てはまりません。その一方で、オリジナルのモーフィアスが持つ歴史というのは、このキャラクターにも意識されています。ただ、僕が演じるモーフィアスは独自の存在です。そう言うべきですかね。『マトリックス』の世界に存在するモーフィアスの歴史は継がれていますが、『マトリックス』の世界では全てが可能です。観れば皆さんも理解することになりますよ。

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「野心的で人間らしい」新たな『マトリックス』

── (THE RIVER)ラナ監督は『マトリックス』以外にも、ご自身のヴィジョンを反映した作品を撮ってきました。これら他の作品で描かれるテーマや題材は『レザレクションズ』に通ずるものがあると思います。本作に出演するにあたり、『マトリックス』以外のウォシャウスキー作品を観直しましたか?

特に意識して観直すことはしませんでした。「センス8」は何話か観たことがありますが。とにかく今回は、ラナが僕たちの世界にもたらしてくれた『マトリックス』に、忠実である必要がありました。でもラナは、“自由”とか、“自ら運命や家族を選ぶこと”といった普遍的なテーマを扱ってこられた方ですから、本作でも同じように意識されていたと思います。

Writer

SAWADA
SawadyYOSHINORI SAWADA

THE RIVER編集部。宇宙、アウトドア、ダンスと多趣味ですが、一番はやはり映画。 "Old is New"という言葉の表すような新鮮且つ謙虚な姿勢を心構えに物書きをしています。 宜しくお願い致します。ご連絡はsawada@riverch.jpまで。

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