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『ワイスピ』プロデューサー、「小規模」の原点回帰を希望 ─ 「観客もそれを求めている」

©Universal Pictures

『ワイルド・スピード』シリーズのプロデューサーで知られるニール・H・モリッツが、全11作での完結が近づいている『ワイスピ』の今後について希望を語っている。最新作『ワイルド・スピード/ジェットブレイク』(2021)まで、シリーズは回を重ねるごとにスケールを増してきたが、モリッツは原点回帰を望んでいるようだ。

『ワイスピ』は2001年、小規模のカーレース映画として始動した。今や、シリーズ累計興収5,000億円を突破するメガフランチャイズへと成長し、劇中で見られるアクション演出には初期作と比にならないほどの大きな予算が投じられている。その『ワイスピ』は、2023年米公開の第10作と完結編の第11作をもってメインサーガが幕を閉じる予定だ。

このたび米ポッドキャスト番組で、『ワイスピ』原点回帰への意欲を語ったニール・H・モリッツは、第1作からシリーズのプロデューサーを務めてきた人物。近年『ワイスピ』が辿ってきた大作路線について、モリッツは「正直に言うと、前に進めるのであればより小規模で作りたいです」と語っている。

「自分たちが始めた場所に戻ってみたいなと。面白い道のりになると思いますね。ジグ、ザグと行ってみたいです。何か違ったものを作りたいですし、最近の観客もそういうものを求めているんじゃないでしょうか。」

2021年に公開された『ワイルド・スピード/ジェットブレイク』では遂に宇宙進出を果たし、スポーツカーにジェットエンジンを搭載したド派手改造車でファミリーが宇宙空間を探索した。可能な限りの実写撮影にこだわってきた『ワイスピ』とはいえ、こうした演出はCG無しには困難だ。一方、モリッツが「自分たちが始めた場所」と語る第1作『ワイルド・スピード』では、一直線のドラッグレースが物語を盛り上げるなど、シンプルかつスリリングなアクション演出が印象的だった。同作にはモリッツもカメオ出演しており、ドムとブライアンにカーレースを仕掛けていたが、かつての『ワイスピ』を“取り戻したい”という思いは強いのだろう。

ちなみに2021年10月には、第1作の脚本を手掛けたゲイリー・スコット・トンプソンが、『ワイスピ』を製作する米ユニバーサル・ピクチャーズについて、「彼らは、僕が考えていた終わり方とは別のものを見ているでしょう。[中略]お金を稼ぎすぎているから」と、ハリウッド共通の傾向である拝金主義を批判したことが話題となった。成長をお金で計るか、あるいは物語で測るか。前者が主流の現代で、果たして『ワイスピ』が原点回帰することはあるだろうか。

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Source:  The Town with Matthew Belloni

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SawadyYOSHINORI SAWADA

THE RIVER編集部。宇宙、アウトドア、ダンスと多趣味ですが、一番はやはり映画。 "Old is New"という言葉の表すような新鮮且つ謙虚な姿勢を心構えに物書きをしています。 宜しくお願い致します。ご連絡はsawada@riverch.jpまで。

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