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Netflix「デアデビル」ほかマーベルドラマ全終了の理由とは ─ 決め手は作品の所有権か、米報道

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Photo by Gage Skidmore https://www.flickr.com/photos/gageskidmore/36184594395/ https://www.flickr.com/photos/gageskidmore/36184656415/ https://www.flickr.com/photos/gageskidmore/35348730064/ https://www.flickr.com/photos/gageskidmore/35794907550/ https://www.flickr.com/photos/gageskidmore/36184607235/

2019年2月18日(米国時間)、Netflixはマーベル・コミック原作のオリジナルドラマシリーズをすべて終了することを発表した。2018年秋、「Marvel デアデビル」(2015-2018)「Marvel ルーク・ケイジ」(2016-2018)「Marvel アイアン・フィスト」(2017-2018)を終了させたことに続き、「Marvel パニッシャー」(2017-)「Marvel ジェシカ・ジョーンズ」(2015-)の製作終了も決定したのだ。

Netflixとマーベル・テレビジョンは2013年11月以降、5年3ヶ月にわたってパートナー関係を結んできた。多くのファンがシリーズ継続を望み、決して悪くない成果を示してきたとされるマーベルドラマは、なぜすべて終了することになってしまったのだろう?

ストリーミング各社、自社コンテンツの充実図る

世は「大ストリーミング時代」である。NetflixやAmazon、Huluといった日本でもおなじみのサービスに加え、今後はワーナーや米コムキャスト、ディズニー、Appleなどがストリーミングに続々と進出してくるのだ。巨大な財力をもつ大企業がストリーミングに参入するなか、各社の課題となるのは、いかに自社独自の人気コンテンツを生み出し、そして保有しておくかである。

 米The Hollywood Reporterは、Netflixによるマーベルドラマが抱えていた大きな問題を指摘している。「デアデビル」をはじめとした作品群は、「Netflixオリジナルシリーズ」の冠をもちながら、Netflixが作品の権利を所有していたわけではないのだ。各作品のシーズンごとに、Netflixはディズニー傘下のABCスタジオに対して高額のライセンス料を支払っていたという。

Netflixとマーベルがパートナー関係となった2013年当時、Netflixに現在ほどの勢いはなかった。そしてディズニーにも、自社がストリーミング事業に乗り出すという具体的な展望はなかったのだろう。しかし2019年現在、Netflixは大手スタジオ以上の購買力で大量のコンテンツを入手し、次々に世界中のリビングルームへ送り届けている。そして一方のディズニーも、自社サービス「Disney+」を2019年後半に開始する予定。これまで配信してきたマーベル映画をNetflixから引き揚げる方針も早くに発表していたのだ。

両社に共通しているのは、ともに自社独自のコンテンツを確立し、自社のサービスで配信するという方針である。ディズニーが21世紀フォックスの事業買収に踏み切ったことは、前述した「いかに自社独自の人気コンテンツを生み出し、保有しておくか」という課題に対する最もダイナミックな回答といえるのだ。そんななか、Netflixにとってマーベルドラマは純粋な自社作品ではなかった。そして多くのテレビドラマがそうであるように、第三者企業の調査によれば、マーベルドラマの視聴者数は下降傾向にあったという。コストパフォーマンスを番組継続の基準にするとされるNetflixにとって、マーベルドラマの全終了は必然的な結論だったのかもしれない。

なお「ジェシカ・ジョーンズ」は2019年内に最終シーズンとなるシーズン3が配信されるが、このタイミングで製作終了が決定・発表されたことについて、The Hollywood Reporterはふたつの理由を推測している。ひとつは、ショーランナーであるメリッサ・ローゼンバーグがワーナー・ブラザースとの間で全面的契約を結んだこと。「ジェシカ・ジョーンズ」シーズン4でショーランナーが交代することは避けられない状況だったのだ。そしてもうひとつは、早期に終了を決定・発表することで出演者のスケジュールがはっきりすることである。スケジュールが確実に空いていれば、各人が新しい仕事を引き受けることはたやすくなる。

報道によれば、このたび終了したドラマのキャラクターは、契約の都合上、Netflix製作でない作品に今後2年間登場できないとのこと。この契約については一部の出演者たちも認めており、すでになんらかの対策が講じられていないかぎりは現実となる可能性が高そうだ。しかし、マーベル側は終了した作品の再開に前向きな姿勢をはっきりと示している。いずれ時が来れば、「デアデビル」をはじめとするドラマシリーズが、今度はディズニー/マーベルの“純粋な”自社コンテンツとして蘇ることも十分にありうるわけだ。各社がストリーミング事業でしのぎを削る時代にあっては、むしろそうした展開こそが真っ当とすらいえるのである。

Netflix/マーベル、両社の声明を読む

Source: THR

Writer

稲垣 貴俊
稲垣 貴俊Takatoshi Inagaki

THE RIVER編集部。「わかりやすいことはそのまま、わかりづらいことはほんの少しだけわかりやすく」を信条として、海外の映画・ドラマを中心に執筆しています。日本国内の映画やアニメーションも大好きです。国内舞台作品の執筆・創作にも携わっています。お問い合わせは inagaki@riverch.jp まで。

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