アーミー・ハマー、タイカ・ワイティティ最新作を降板 ─ 2019年秋に撮影済み、再撮影で代役起用

『マイティ・ソー』シリーズや『ジョジョ・ラビット』(2019)のタイカ・ワイティティ監督による最新作『Next Goal Wins(原題)』から、アーミー・ハマーが降板したことがわかった。米Deadlineなどが報じている。
『コードネーム U.N.C.L.E.』(2015)『君の名前で僕を呼んで』(2017)などで知られるハマーは、2021年1月、SNSを通じて複数の女性に不適切なメッセージを送った疑惑が浮上したのち、女性から性的暴行を告発されていた。ハマー側は一貫して疑惑を否定し、ロサンゼルス市警は2021年3月から12月にかけて捜査を実施。米TMZによると、ハマーは不起訴となる可能性が高いという。疑惑の浮上後、ハマーはジェニファー・ロペス主演のラブコメ映画『Shotgun Wedding(原題)』、『ゴッドファーザー』(1972)の舞台裏を描くドラマ「The Offer(原題)」、マッツ・ミケルセン主演『The Billion Dollar Spy(原題)』などを降板。2021年2月には大手エージェントWMEから除名されている。
このたび降板が明らかになった『Next Goal Wins』は2019年11月から2020年1月に撮影が行われていたが、長らく公開予定が告知されていなかった。米Deadlineによると、このたびワイティティ監督らは本作の再撮影を実施したが、ハマーが参加できる状況ではなかったため、新たに『俺たちフィギュアスケーター』(2007)のウィル・アーネットを代役として起用。『レゴ ムービー』シリーズや『レゴバットマン ザ・ムービー』(2017)などでバットマン役を演じるなど、声優としても豊富なキャリアを有する人物だ。
本作はドキュメンタリー映画『ネクスト・ゴール!世界最弱のサッカー代表チーム0対31からの挑戦』(2014)を原案に、“世界最弱のサッカーチーム”アメリカ領サモア代表を描く実話映画。2001年のFIFAワールドカップ予選でオーストラリア代表に0対31の歴史的大敗を喫し、FIFAランキング最下位に10年以上君臨したチームが、オランダ人新監督のもとで2014年ワールドカップ予選に挑む物語だ。ハマーはサモア・サッカー連盟の幹部役としてカメオ出演する予定だったが、アーネットに交代した再撮影の時点ではやや大きい役柄になったという。
出演者はマイケル・ファスベンダー、エリザベス・モスほか。監督・脚本をタイカ・ワイティティ、共同脚本を「思春期まっただ中」(2008-2010)のイアン・モリスが務めた。製作はサーチライト・ピクチャーズ。
なお『Next Goal Wins』からの降板により、今後のハマーの出演作は、2022年2月25日公開『ナイル殺人事件』のみとなった。同作も疑惑の浮上以前に完成していたが、新型コロナウイルス禍やハマーのスキャンダルによって公開延期となっており、ディズニー/20世紀スタジオは代役を立てての再撮影なども検討したとされる。ただし撮影規模の大きさや出演者の再招集が難しいことから非現実的と判断され、そのまま劇場公開されることが決定した。
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Sources: Deadline, The Hollywood Reporter