ニコラス・ケイジ、よくネットでネタにされることに苛立ち「ミームになるために映画に出てるわけじゃないんだよ」
アカデミー賞主演男優賞に輝いた『リービング・ラスベガス』(1996)から、一時期、借金返済のため数多く出演していたB級アクション映画まで、その長いキャリアにおいて幅広いジャンルの映画で活躍してきたニコラス・ケイジ。その作品から数多く生まれたミームについて、英The Guardianのインタビューでケイジが心境を明かしている。
「僕は、ミーム化というものを経験した最初の俳優かもしれません。ある人が、様々な映画から僕が精神的に壊れるシーンを抜き出していたんですが、そのキャラクターがどのようにしてそんな状態に陥ったのかは全く無視されていました。それを見た人が、そのシーン以外に何を映画から汲み取っているのか分からなかったので、イライラしましたね。」
ケイジ演じるキャラクターのミーム化は、『バンパイア・キッス』(1998)でケイジ扮するヤッピーが、仕事の不満を訴える秘書に向かって、目を見開いたまま狂気じみた表情で説教するシーンや、『ウィッカーマン』(2006)でケイジ演じる主人公がハチを使った拷問を受け、「Not the bees!(ハチはやめてくれ)」と叫びまくるシーンなどが有名だ。愛され俳優のケイジは、エキセントリックな演技で個性的なキャラクターを演じることが多いため、ミーム化されやすいのかもしれない。
そんなネットを席巻する自身のミーム化について、「演劇を始めたのは、他のどの芸術形式よりも映画の演技に感動したからです。ミームになるために俳優になったわけではありません」と不満を吐露したケイジ。「それは新しい体験で、慣れることは出来たけど、気持ちの整理が必要でした。ミーム化により、誰かが映画を観ずにはいられない気持ちになるかもしれないと思いましたが、そこは自分のコントロールが及ばないところですから。それは、『Dream Scenario(原題)』のポールも同じで、彼は不可解な現象をコントロールできないんです」とも付け加えた。
A24による『Dream Scenario』はケイジの最新主演作。主人公ポール・マシューズは、なぜか何百万人もの夢に次々に現れたことで時の人となるが、状況が悪化し始めて悪夢のような展開を迎えることになる。ソーシャルメディア時代を皮肉ったようなコメディ映画だ。2023年11月22日より米公開となる。
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Source:The Guardian