Menu
(0)

Search

実写映画化の噂『ナイトウィング』の魅力とは?「深い悲劇を経験しながらも自分らしさを失わないでいる」

新たな形のバットマン映画として全米で公開され、高い評価を受けた『レゴバットマン ザ・ムービー』。監督のクリス・マッケイがDCEUに深く関与しているDCコミックスのプレジデントのジェフ・ジョーンズと会談を行い、DCEUの映画を監督することについて話し合ったようです。

彼が監督すると噂されているのは初代ロビンにしてナイトウィングであり、一時期はバットマンでもあったディック・グレイソン。コミックではバットマンにとって非常に欠かせないキャラクターですが、映画ではあまり焦点があたったことがありません。そんなディック・グレイソンが如何に魅力的かについてクリス・マッケイがthe Shanlian on Batman podcastにて語ってくれました。

「僕にとってブルース・ウェインはハイソサエティに属する人間であり、それが彼が常に不機嫌で怒りに満ちている理由なんだと思う。ファンに愛されている要素は全て自力で作り上げたものだ」とブルースについて語ってから、ディックについては以下のように言及しています。

「ディック・グレイソンは特権階級の生まれではない。彼はサーカスの一座の生まれだ。サーカスとは貧しさから這い上がった者達だ。彼らはエンターテイナーであり、体操選手だ。その日暮らしをしている人々の姿がディックの人格に深い影響を与えている。そして彼はブルースと同じ悲劇を経験しているのが魅力的だ。ディックはブルースと同じ暗い面を持ち、ブルースの養子となり人生の一部となっている。だがディックはブルースとは違う。彼はブルースと同じか、ともすればさらに深い悲劇を経験しながらも自分らしさを失わないでいる。だから僕はディック・グレイソンが好きだし、ナイトウィングの映画化の案も気に入っているんだ」

ブルースと同じような悲劇を経験しているキャラクターといえば、ディック・グレイソンのほかにバリー・アレン(フラッシュ)もいます。どちらもブルースのような人間不信や偏執狂に呑み込まれずに笑顔と優しさを忘れずにいるヒーロー。そしてディック・グレイソンはスーパーマンことクラーク・ケントと同じく、特権階級ではなく庶民、貧しい人々に多く接してきたという経歴を持っています。

スーパーマンがクリプトン星から来て農家に育てられた子であり、特別ではない育ての両親からの教えがクラーク・ケントのアイデンティティであるのと同じく、ディック・グレイソンがサーカスの子であるというのは非常に重要なアイデンティティとしてコミックでは描写されています。だからかディック・グレイソンは人付き合いに関して豊富な欠点を持つバットマンと違い、人との信頼関係を築くのが誰よりも得意であり、ブルースの精神が深刻に弱った時の救いにもなっています。そんなディック・グレイソンはバットマンの犯罪への怒りとスーパーマンの地に足の着いた陽性を併せ持つ大変に魅力的なキャラクターと言えるでしょう。

薫陶を受けた上でブルース・ウェインのバットマンではできないことができるのがディック・グレイソンのナイトウィング。2017年現在ではブルードヘイブンにて犯罪の被害者と犯罪を行っていた元ヴィラン両方に深く接して心のケアをするという仕事もしています。映画化されたらどのようになるのか予想は難しいですが、ケビン・マッケイがキャラクター性を深く理解しているのは確かです。

Source:http://www.cbr.com/lego-batman-movie-nightwing-fascinating/
Eyecatch Image:http://dc.wikia.com/wiki/Richard_Grayson_(New_Earth)

 

Writer

小村健人村上 幸

DCコミックスと非ヒーローコミックスをメインに読んでいます。ユーロコミックスを原語で読むのが現状の目標です。好きなヒーローチーム:ジャスティス・リーグ・インターナショナル好きなヒーロー:たくさんのDCヒーロー(特にキース・ギッフェンがライターを担当した時のヒーローかヴィラン) salarmko@outlook.jpお仕事の依頼はこちらへ。