バットマンの頼れる相棒、ロビン 全世代総まとめ

2016年に公開された『バットマンvsスーパーマン ジャスティスの誕生』。悪に堕ちたバットマンと悪に祀り上げられたスーパーマンの戦いが話題を呼びました。ブルース・ウェインことバットマンがそうなった理由は映画で語られていますが、アメコミ読者にだけわかる重要な事実がありました。それはバットマンの掛け替えのない相棒、ロビンの死です。

http://comicbook.com/2015/07/11/robin-costume-spotted-in-batman-v-superman-trailer/

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バットマン&ロビンはダイナミックデュオと呼ばれる名コンビであり、常に狂気すれすれの精神状態にあるバットマンにとっては無くてはならないストッパーで、バットマンも不器用ながらも養子として引き取ったロビンを深く愛しています。ザック・スナイダー監督曰く、BvSに出てきた焼け焦げ、ジョーカーに落書きされた赤と緑のコスチュームの持ち主は二代目ロビンのジェイソン・トッドとのこと。彼の死と復活は『バットマン:デス・イン・ザ・ファミリー』『バットマン:アンダー・ザ・レッドフード』にて描かれており、それからバットマンや初代ロビンにして彼の義兄、ナイトウィングや三代目ロビンのティム・ドレイクとも戦い、色々あってかなり丸くなった姿が『レッドフード&アウトローズ』(翻訳決定)にて描かれています。

今回はバットマンについてはよく知っていても、実はロビンは詳しくない…という方のために歴代ロビンを紹介します。

初代ロビンにしてザ・ボーイ・ワンダーの誉れを受けた現ナイトウィングのディック・グレイソン

サーカスの花形、空中ブランコで名を馳せたグレイソン一家の子供にして天才的なアクロバットの才能を持つリチャード・”ディック”・グレイソンは公演の最中に目の前で両親が殺されてしまいます。犯罪によって幸せな日々から絶望に突き落とされたディックに自分と同じものを感じ取ったブルース・ウェインは相手の強い希望もあって、ディック・グレイソンをロビンというクライムファイターに育てることにします。サーカス育ちだからか天性の陽気さを持つディックの存在は終わりなき戦いに身を投じていたブルース・ウェインとアルフレッドの心を癒していきます。

ロビン

http://dualpixels.com/2015/06/11/batman-spotlight-dick-grayson-the-boy-wonder/

ですが少年は成長するもの。自分の才能を試したくなった彼はスーパーマンに相談し、クリプトン星の神である混沌の神ナイトウイングの名を譲り受け、ナイトウイングとしてデビューします。バットマンを継ぎ、ブルースの息子のダミアンと組み、死亡偽装したスパイと多様なキャリアを持っています。バットマンとは最も付き合いが長く、アルフレッドと一緒に古女房役を務めています。

ナイトウイング クールな新世代ヒーローの正体は、青年になった初代ロビン

コミュニケーション能力に抜群に秀でているディックはバットマンにはできない対人関係の緩衝材となり、ブルース一人では解決できない難しい問題をこなしていきました。バットマンの犯罪への対処のスタンスとスーパーマンの明るさ、陽性を持っていることからディックはGRAYSONとかけてグレイ=ソン(灰色の息子)と称されもします。初代バットガールでジム・ゴードンの娘、バットガールとは付かず離れずの戦友以上夫婦未満といった関係です。『フラッシュポイント』によって経歴が大幅に圧縮されたので旧世界の様々な経歴はギュッと縮小しましたが、バットマンを引き継ぎ、ティーンタイタンズのリーダーだったことは変わっていません。

二代目ロビンは死と復活を経験したストリート上がりの残念ヤンキー、ジェイソン・トッド

http://batman.wikia.com/wiki/Jason_Todd/Gallery

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家族に恵まれず、ストリートキッズとしてケチな盗みを繰り返していた不良のジェイソン・トッドはある晩、バットモービルに車上荒らしを仕掛けます。タイヤを外しているところをバットマンに見つかり、ディックがロビンを卒業したこともあってロビンとして育てることにします。先代のディックと比べられつつもブルース、ディック、アルフレッド、バーバラに応援され頑張ります。ですが生き別れの母を探しに乗り出した際に母親ごとジョーカーに殺されることに。この事件はバットマンの歴史の中でも最大の悲劇に数えられ、『バットマンvsスーパーマン』でも似たような事件が起きたことが示唆されました。

数年後、ある並行宇宙規模の野望の余波で復活したジェイソンは自分が死んでもなお、ジョーカーを殺さないバットマンに怒り、彼に戦いを挑みました。その後はディックに戦いを挑んだりティムに戦いを挑んだりバットマンを継いだディックにまた戦いを挑んだりした後、『バットマン:インコーポレイテッド』にて贖罪のためにバットマンのチームに加入。『フラッシュポイント』を境に世界が改変された後は荒々しい気性が収まり。ジェイソンはレッドフードというヒーロー名で活動して最終的にはバットマンと和解しました。今はバットファミリーの面々ともすっかり前以上に強い絆で結ばれた関係になり。ヴィランになって得た悪ぶった態度を維持しつつ、本来あった家族思いな情を素直に表に出す、ヘコタレても挫けない根性を持つ熱血漢となりました。

バットマン:アンダー・ザ・レッドフード

ジェイソンが復活したエピソード『アンダー・ザ・レッドフード』はバットマンの不殺主義へのアンチテーゼに

三代目ロビンのティム・ドレイクは天才少年探偵

http://batman.wikia.com/wiki/Tim_Drake

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ジェイソンの死後、バットマンはもうロビンを持つのをやめると決めていました。ですが子供の頃にグレイソン一家の公演に感動し、バットマンの活動に深く影響を受けたティム・ドレイクは少年でありながらも数多のヴィランが成し得なかったバットマンとロビンの正体を突き止めることに成功します。ディックとブルースにバットマンはロビンが必要だと根気強く説得したティムは三代目ロビンを襲名することになりました。

ブルースとディックとの間に良好な信頼関係を築き、ティーンタイタンでも三代目ロビンとしてリーダーを務めていたティムですが大きな挫折が訪れます。それはアポカリプスという邪悪な星からやってきた恐るべき大魔王ダークサイドが善悪の理を砕くアンチライフ方程式を手に入れ、宇宙を混沌に陥れ、その戦いで師であり、敬愛するバットマンが死亡します。おまけにその直前にブルースの実子ダミアン・ウェインがロビンを名乗り始め、ディックが扮するバットマンと次世代ダイナミックデュオを結成してしまいます。居場所がなくなり自信を喪ったかに見えたティムでしたが彼はヒーローの中で真っ先にバットマンの生存の証拠を掴み、ディックやアルフレッドに見事、バットマンの生存を証明してみせます。その過程でロビンからレッドロビンになったティムは夢である世界最高の探偵になろうと頑張り続けています。『フラッシュポイント』を契機に世界が改変された後は両親が健在な天才少年としてレッドロビン名義で活躍しています。

余談ですがティム・ドレイクはディックやジェイソンと違い、父親がいたのですが『スーサイドスクワッド』にも参戦するキャプテンブーメランと相打ちにあい、死亡してしまいます。『フラッシュポイント』後では発生せず、DCEUでもまず起きなかったであろう事件ですが、頭の片隅に留めて映画を鑑賞するのもオススメです。

サン・オブ・バットマンにして蝙蝠と悪魔の娘の間に生まれた衝撃の四代目ロビン、ダミアン・ウェイン!

http://comicvine.gamespot.com/damian-wayne/4005-42413/

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ダミアン・ウェインは驚くべきことにバットマン=ブルース・ウェインと忍者結社リーグ・オブ・アサシンの首領ラーズ・アル・グールの娘、タリア・アル・グールの間に生まれた子供です。とは言っても実態は遺伝子操作を施したフラスコベイビーではあるのですが遺伝子上は紛れもなくバットマンの実子です。暗殺組織に育てられたことから危険思想に染まっていたダミアンはブルースに会うや否や三代目ロビンを殴り倒し、四代目ロビンを名乗ります。悪人を殺すのに躊躇がなく、アルフレッドすら傷つける生意気さにバットマンも怒り心頭。

どうなることかと思われたダミアンとブルースの関係ですが、悪の大魔王ダークサイドの戦いによってブルースは死亡。父を喪ったダミアンはバットマンを継いだ義兄ディック・グレイソンとバットマン&ロビンを結成します。暴れん坊で反抗心剥き出しなダミアンに手を焼くディックでしたが執事のアルフレッドと協力し、根気強く向き合ったことで暗殺組織に半ば洗脳という形で植えこまれた教えは徐々にヒーローへのモチベーションに転換されていきます。面倒な絡み方をしに来たジェイソン・トッドやブルースの父、トーマス・ウェインを名乗る謎の男、そしてジョーカーを相手に二人は次第に最高のコンビへと変わっていきます。深い信頼で結ばれたディックとダミアン。ダミアンにとって初代ロビンであり、義兄でもあるディックは父にして師にして親友、そして兄になったのです。その後、二人には様々な悲劇が起こり、死に別れも経験しましたが仲良しのままです。

ダミアンはスーパーマンの息子と”スーパーサンズ”というタッグ(?)を結成しました。

番外編:隠れた四代目ロビンのノーテンキガール、ステファニー・ブラウン!!

さて、初代から四代目に至るまでのロビンを紹介しましたが、実を言うとロビンは五代いるという意見が根強くあります。ディック~ダミアンの系譜は世界改変の後も継続されたのですが、このステファニー・ブラウンというロビンは世界改変後、ロビンだったという経歴がなくなったのです。三代目ロビンのティム・ドレイクと恋仲で、彼が実父の訴えでロビンを引退したことでバットマンに四代目ロビンになることを嘆願します。そして見事ロビンの座を射止めたのですが、ロビンだったのはわずか数話だけ。他のヒーローが主役の作品には何度かゲスト参戦したとはいえ余りに短いロビンでした。

http://batman.wikia.com/wiki/Stephanie_Brown

http://batman.wikia.com/wiki/Stephanie_Brown

ですが魅力がないかというとそんなことは決してなく、明るい金髪で元気いっぱい、おバカに動きまわるステファニー・ブラウンは”バットファミリー最弱”と言われてもバットガールを襲名し、根性と周囲のサポートで頑張っていきます。5代目ロビンのダミアンとも仲良しで、二代目バットガールのカッサンドラ・ケインやスーパーガールとも親友でした。

『フラッシュポイント』による世界改変後は長らく音沙汰がありませんでしたが『BATMAN:ETERNAL』にてDC世界に復帰。その作品中は家族の隠された素顔を知り、命を狙われたことで明るさを見せる機会はありませんでした。しかしその後に新米ヴィジランテとして本格デビュー。バットガールこと、バーバラ・ゴードンの後をくっついて回ったりして必至に勉強する日々を送っています。

ロビン世代別オススメ翻訳コミックリスト

ディック・グレイソン

ジェイソン・トッド

ティム・ドレイク

ダミアン・ウェイン

eyecatch image:http://www.dccomics.com/comics/batman-and-robin-eternal-2015/batman-robin-eternal-1

About the author

ライター、翻訳の小村健人です。アメコミは主にスーパーマン、フラッシュ、アクアマン、ブースターゴールド、ジャスティスリーグ、バットマンとそのファミリー誌を主に追っており、原書の知識もあります。カートゥーン、洋ドラも視聴。アメコミ記事を描くことが多いですが、何分まだ若輩者ですので知識に穴があるようでしたらコメント欄でお知らせいただけると幸いです(できればどのアークに収録されているかも教えていただければさらに幸いです)。

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