バットマンの頼れる相棒、ロビン 全世代総まとめ
2016年に公開された『バットマンvsスーパーマン ジャスティスの誕生』。悪に堕ちたバットマンと悪に祀り上げられたスーパーマンの戦いが話題を呼びました。ブルース・ウェインことバットマンがそうなった理由は映画で語られていますが、アメコミ読者にだけわかる重要な事実がありました。それはバットマンの掛け替えのない相棒、ロビンの死です。
バットマン&ロビンはダイナミックデュオと呼ばれる名コンビであり、常に狂気すれすれの精神状態にあるバットマンにとっては無くてはならないストッパーで、バットマンも不器用ながらも養子として引き取ったロビンを深く愛しています。ザック・スナイダー監督曰く、BvSに出てきた焼け焦げ、ジョーカーに落書きされた赤と緑のコスチュームの持ち主は二代目ロビンのジェイソン・トッドとのこと。彼の死と復活は『バットマン:デス・イン・ザ・ファミリー』、『バットマン:アンダー・ザ・レッドフード』にて描かれており、それからバットマンや初代ロビンにして彼の義兄、ナイトウィングや三代目ロビンのティム・ドレイクとも戦い、色々あってかなり丸くなった姿が『レッドフード&アウトローズ』(翻訳決定)にて描かれています。
今回はバットマンについてはよく知っていても、実はロビンは詳しくない…という方のために歴代ロビンを紹介します。
初代ロビンにしてザ・ボーイ・ワンダーの誉れを受けた現ナイトウィングのディック・グレイソン
サーカスの花形、空中ブランコで名を馳せたグレイソン一家の子供にして天才的なアクロバットの才能を持つリチャード・”ディック”・グレイソンは公演の最中に目の前で両親が殺されてしまいます。犯罪によって幸せな日々から絶望に突き落とされたディックに自分と同じものを感じ取ったブルース・ウェインは相手の強い希望もあって、ディック・グレイソンをロビンというクライムファイターに育てることにします。サーカス育ちだからか天性の陽気さを持つディックの存在は終わりなき戦いに身を投じていたブルース・ウェインとアルフレッドの心を癒していきます。
ですが少年は成長するもの。自分の才能を試したくなった彼はスーパーマンに相談し、クリプトン星の神である混沌の神ナイトウイングの名を譲り受け、ナイトウイングとしてデビューします。バットマンを継ぎ、ブルースの息子のダミアンと組み、死亡偽装したスパイと多様なキャリアを持っています。バットマンとは最も付き合いが長く、アルフレッドと一緒に古女房役を務めています。
コミュニケーション能力に抜群に秀でているディックはバットマンにはできない対人関係の緩衝材となり、ブルース一人では解決できない難しい問題をこなしていきました。バットマンの犯罪への対処のスタンスとスーパーマンの明るさ、陽性を持っていることからディックはGRAYSONとかけてグレイ=ソン(灰色の息子)と称されもします。初代バットガールでジム・ゴードンの娘、バットガールとは付かず離れずの戦友以上夫婦未満といった関係です。『フラッシュポイント』によって経歴が大幅に圧縮されたので旧世界の様々な経歴はギュッと縮小しましたが、バットマンを引き継ぎ、ティーンタイタンズのリーダーだったことは変わっていません。
二代目ロビンは死と復活を経験したストリート上がりの残念ヤンキー、ジェイソン・トッド
家族に恵まれず、ストリートキッズとしてケチな盗みを繰り返していた不良のジェイソン・トッドはある晩、バットモービルに車上荒らしを仕掛けます。タイヤを外しているところをバットマンに見つかり、ディックがロビンを卒業したこともあってロビンとして育てることにします。先代のディックと比べられつつもブルース、ディック、アルフレッド、バーバラに応援され頑張ります。ですが生き別れの母を探しに乗り出した際に母親ごとジョーカーに殺されることに。この事件はバットマンの歴史の中でも最大の悲劇に数えられ、『バットマンvsスーパーマン』でも似たような事件が起きたことが示唆されました。
数年後、ある並行宇宙規模の野望の余波で復活したジェイソンは自分が死んでもなお、ジョーカーを殺さないバットマンに怒り、彼に戦いを挑みました。その後はディックに戦いを挑んだりティムに戦いを挑んだりバットマンを継いだディックにまた戦いを挑んだりした後、『バットマン:インコーポレイテッド』にて贖罪のためにバットマンのチームに加入。『フラッシュポイント』を境に世界が改変された後は荒々しい気性が収まり。ジェイソンはレッドフードというヒーロー名で活動して最終的にはバットマンと和解しました。今はバットファミリーの面々ともすっかり前以上に強い絆で結ばれた関係になり。ヴィランになって得た悪ぶった態度を維持しつつ、本来あった家族思いな情を素直に表に出す、ヘコタレても挫けない根性を持つ熱血漢となりました。