クエンティン・タランティーノも「ネタバレ禁止令」発令 ─ 新作『ワンス・アポン・ア・タイム・イン・ハリウッド』カンヌ映画祭にて初上映へ

映画監督クエンティン・タランティーノが、長編第9作となる新作映画『ワンス・アポン・ア・タイム・イン・ハリウッド』のカンヌ国際映画祭における世界初上映に先がけて「ネタバレ禁止令」を発令した。
「ネタバレ禁止令」といえば、『アベンジャーズ/インフィニティ・ウォー』(2018)や『アベンジャーズ/エンドゲーム』のアンソニー&ジョー・ルッソ監督が両作の公開前に観客への手紙を公開したことが記憶に新しい。『エンドゲーム』では異例の「インターネット禁止令」まで発令して大きな話題を呼んでいた。このたびタランティーノも、手紙に自筆の署名を添えた画像を本作の米国公式SNSにて公開している。
クエンティン・タランティーノの「ネタバレ禁止令」
「2019年のカンヌ国際映画祭によせて
私は映画を愛しています。みなさんも映画を愛しています。映画とはストーリーを初めて味わうという体験です。
『ワンス・アポン・ア・タイム・イン・ハリウッド』を映画祭の観客のみなさんにお見せするため、カンヌに来られたことに興奮しています。これまで出演者とスタッフは、独創的な作品を生み出すべく懸命に務めてきました。そこでみなさんには、(映画について)一切を明かさないことをお願いします。今後の観客の方々が、みなさんと同じようにこの映画を体験できなくなってしまわないために。よろしくお願いいたします。
クエンティン・タランティーノ」

『ワンス・アポン・ア・タイム・イン・ハリウッド』の舞台は1969年のロサンジェルス。チャールズ・マンソン一味による女優シャロン・テートの殺害事件と、テートの隣人である落ち目のテレビ俳優と彼のスタントマンがハリウッドで成り上がろうとする様子が描かれる。タランティーノは本作の脚本を、5年もの歳月を費やして執筆したということだ。
報道によれば、本作の上映時間は159分(2時間39分)とのこと。同じくネタバレ禁止令を呼びかけた『アベンジャーズ/エンドゲーム』の181分ほどではないものの、こちらもかなりの長尺である。実際の歴史とフィクションを織り交ぜた『ワンス・アポン・ア・タイム・イン・ハリウッド』に、タランティーノは一体どんな展開と仕掛けを用意しているのだろうか……。なおタランティーノの手紙には、「#NoSpoilersInHollywood(ハリウッドにネタバレ屋はなし)」とのハッシュタグが添えられている。
ちなみにタランティーノは、1994年に『パルプ・フィクション』でカンヌ映画祭のパルム・ドールを受賞。2004年には審査員長を務めたが、コンペティション部門への出品は『イングロリアス・バスターズ』(2009)以来10年ぶり3度目となる。25年ぶりのパルム・ドール受賞となるか、大きな注目が集まっている。
本作では『ジャンゴ 繋がれざる者』 (2012)でタランティーノ作品初出演となったレオナルド・ディカプリオが落ち目のテレビ俳優リック・ダルトン役を、『イングロリアス・バスターズ』(2009)でタランティーノ作品初主演を務めたブラッド・ピットがダルトンのスタントマンであるクリフ・ブース役を演じる。人気女優シャロン・テート役には『アイ、トーニャ 史上最大のスキャンダル』(2018)のマーゴット・ロビーが起用された。
そのほか『ゴッドファーザー』(1972)のアル・パチーノや『ヘイトフル・エイト』(2015)のブルース・ダーン、『アイ・アム・サム』(2001)のダコタ・ファニング、『X-MEN』シリーズのジェームズ・マースデン、そしてタランティーノ作品の常連者であるティム・ロス&マイケル・マドセン&カート・ラッセルが出演。『イン・トゥ・ザ・ワイルド』(2007)のエミール・ハーシュ、『ダイ・ハード 4.0』(2007)のティモシー・オリファント、『オーシャンズ8』(2018)のダミアン・ルイスら新旧実力派も登場する。先日急逝した「ビバリーヒルズ高校白書」のルーク・ペリーは、映画としては本作が遺作となった。
映画『ワンス・アポン・ア・タイム・イン・ハリウッド』は2019年8月30日(金)全国ロードショー。
『ワンス・アポン・ア・タイム・イン・ハリウッド』公式サイト:http://www.onceinhollywood.jp/
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