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ノーラン、『トロイ』を監督する可能性あった ─ 『オデュッセイア』で20年越しのリベンジ

クリストファー・ノーラン Christopher Nolan
© LFI/Avalon.red 写真:ゼータ イメージ

最新作『オデュッセイア』で古代ギリシャ時代の英雄叙事詩の映画化に挑むクリストファー・ノーランが、かつて『トロイ』(2004)を手がける可能性があったことを認めた。

『トロイ』はブラッド・ピット主演で、古代ギリシャのトロイア戦争をリアルな歴史劇として映画化した一作。監督は『エアフォース・ワン』(1997)や『パーフェクト ストーム』(2000)のウォルフガング・ペーターゼンが務め、脚本はのちに「ゲーム・オブ・スローンズ」を執筆するデイヴィッド・ベニオフが執筆していた。

すなわち今から20年以上前、ノーランは、『オデュッセイア』と同じく詩人ホメロスが執筆した『イーリアス』を映像化するかもしれなかったのだ。

英Empireにて、ノーランは「もともと、私はワーナー・ブラザースに『トロイ』の監督として雇われていました。ウォルフガングが開発していたんですが、スタジオが彼のスーパーヒーロー映画を却下することを決めたので、彼は(『トロイ』を)取り戻そうとしたわけです」と明かしている。

以前から、ノーランが『インソムニア』(2002)のあと、ワーナーのもとでトロイア戦争の映画化を構想していたことは報じられていた。『トロイ』を任されなかったのは、当時のノーランに大作映画を成功させられる保証がなかったためだといわれていたが、実際はやや異なっていたらしい。

ノーランが言及した、当時のペーターゼンが準備していた“スーパーヒーロー映画”とは、約10年後にザック・スナイダー監督へとバトンが渡される『バットマン vs スーパーマン』のこと。ワーナーは同作ではなく『トロイ』をペーターゼンに任せ、かわりにノーランに『バットマン ビギンズ』(2004)を撮らせることにした。すなわち、2人の役割が当初とは逆になったのだ。

「結局のところ、(トロイア戦争は)私がとても探求してみたかった世界なのです」とノーランは言う。「ずいぶん長い間、心の奥底にありました。しかも、特定のイメージがあったんです。たとえば、トロイの木馬をどのように扱うか」。

本作は『オデュッセイア』に基づく“神話的アクション大作”で、マット・デイモン演じるイタカの王・オデュッセウスが、トロイア戦争のあと、故郷の妻・ペネロペイアと再会するため過酷な旅に出る。神々やモンスターといった神話的な要素を、ノーランはどのように映像化するのか。

「私の課題のひとつは、神話の要素を現実的にどう捉えるかでした。神々について考える上で大きな突破口となったのは、今では科学で説明できることが、かつてはすべて超自然的なものだったということです。雷、雷鳴、地震、火山……人々はあらゆる場所で神々を目にしています。神々が存在する証拠はなくとも、彼らは神々の行為を見ていたのです。」

ちなみに、ノーランが初めて『オデュッセイア』の世界観に触れたのは5~6歳のころ。年上の子どもたちが学校で上演していた舞台で、「セイレーンたちとオデュッセウスがマストに縛り付けられていたことも覚えています。意識的な記憶ではありませんが」と回想した。

映画『オデュッセイア』は2026年公開、配給はビターズ・エンド(US公開日は7月17日)。

Source: Empire Magazine 2026 January

Writer

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稲垣 貴俊Takatoshi Inagaki

「わかりやすいことはそのまま、わかりづらいことはほんの少しだけわかりやすく」を信条に、主に海外映画・ドラマについて執筆しています。THE RIVERほかウェブ媒体、劇場用プログラム、雑誌などに寄稿。国内の舞台にも携わっています。お問い合わせは inagaki@riverch.jp まで。

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