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クリストファー・ノーランはストイックすぎてトイレに行く時間まで「午前11時と午後6時」と決めている

クリストファー・ノーラン
HellaCinema https://commons.wikimedia.org/wiki/File:DunkirkFilmGearPatrolLeadFull.jpg

映画監督クリストファー・ノーランの現場には椅子がない、携帯電話を持ち込めない、ペットボトルの持ち込みも禁止──。いろいろな俳優の口から語られてきた“ノーラン伝説”に、また新たなエピソードが加わった。周囲に厳しいノーランは自分にも厳しく、トイレに行くタイミングさえ完璧に制御しているというのだ。

『オッペンハイマー』に出演したロバート・ダウニー・Jr.は、ノーランの映画製作に対する狂気的なまでのアプローチを明かした。いわく、「彼はトイレにさえ行きたがらないんだ。行かなきゃいけないのはわかっているのに」。主演のキリアン・マーフィーが、以前「トイレ休憩への思いやりがない」と話したことにも通じる話題である。

「聞いてみたんですよ、“いつトイレに行くの?”と。そしたら、“午前11時と午後6時”だって。そんなバカな、と思いました。」

耳を疑ったのは、同じく出演者のエミリー・ブラントだ。「たくさんお茶を飲んでるのに、どうやって行かずに済ませているんだろう」と言えば、ダウニーは「利尿作用がないお茶なんだと思う」と応じている。

『オッペンハイマー』でも、ノーランならではの“撮影現場に椅子がない”伝説は健在だったようだ。ブラントによると、「箱馬(撮影で台として使用する木箱のこと)が時々あるので、その上に座る」という。ダウニーも「クリス(ノーラン)を見たら携帯電話を投げ捨てる」とジョークを言うように、“携帯禁止”のルールも相変わらずだ。「撮影中じゃなくても、彼に会ったら電話を置く」という。映像チェック用のモニターも置かれていないので、その周辺に人が集まることもない。

もっとも、ノーラン作品の常連者であるマーフィーは、「撮影現場で携帯電話を見ているなんて筋が通らない、ということなんです」と代弁する。「モニターがあるのは(映画の現場では)普通のことになっているけれど、監督がやりたいことを正確に理解していれば必要ありません」

ダウニーは、「これまでの映画を見てもわかるように、クリスは無駄を嫌う人だと思う」と語った。「マット(・デイモン)が、(ノーランの現場では)“すべてがカメラの前で起きている”と言っていたけれど、まさにその通り。カメラの前にないものにはお金をかけないのです」。それから、このようにも付け加えている。「彼は、自分自身が完全に本気になれないことは人にも求めない」

Source: Vanity Fair

Writer

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稲垣 貴俊Takatoshi Inagaki

「わかりやすいことはそのまま、わかりづらいことはほんの少しだけわかりやすく」を信条に、主に海外映画・ドラマについて執筆しています。THE RIVERほかウェブ媒体、劇場用プログラム、雑誌などに寄稿。国内の舞台にも携わっています。お問い合わせは inagaki@riverch.jp まで。

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