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クリストファー・ノーラン「いつかホラー映画を撮ってみたい」 ─ 『オッペンハイマー』には「ホラー要素ある」

オッペンハイマー
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最新作『オッペンハイマー』の日本公開を控える映画監督クリストファー・ノーランが、「いつかホラー映画を撮ってみたい」と意欲を示した。米Varietyが報じている。

2024年2月15日(現地時間)、英国映画協会のイベントで満員の客席を前に登壇したノーランは、観客からの「ホラー映画をつくりたいと思いますか?」との質問に応答。映画の一ジャンルとして、強い関心を抱いていることを明かした。

「『オッペンハイマー』にはホラー的な要素がありますが、それは作品の主題にふさわしいと思ったからです。ホラー映画は映画的な仕掛けに依存しているのが面白いですよね。出来事に対する直感的な反応が必要になる。だから、いつかはホラー映画を撮ってみたいですね。」

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もっとも、ノーランは「優れたホラー映画にはきわめて優れたアイデアが必要で、そういうものはめったにありません。私もホラーに適したストーリーをまだ見つけられていないのです」とも述べた。今後、実際にホラー映画に挑むかどうかは、あくまでも物語次第ということだろう。

ホラーを「映画として非常に面白いジャンル」だというノーランは、また別の切り口でもその可能性に注目しているようだ。それは、ハリウッドの商業映画にはなかなか取り入れられない実験の余地である。

「(ホラーは)スタジオが数多く手がけている数少ないジャンルのひとつでありながら、同時にとても暗く、非常に抽象的なものです。ハリウッドにおいて一般的に忌避されがちな、あらゆる性質が許されているジャンルなのです。」

ノーラン自身も認めているように、『オッペンハイマー』にはホラーさながらの恐ろしいシーンがあり、米国公開前後から「ノーラン史上最も怖い場面だ」などと評判を呼んでいた。その全貌は劇場で体感いただくとして、ノーラン本気のホラー映画が作られるとしたら、それはどんな作品になるのか? 現代を代表する映画監督であり、さまざまなジャンル映画に挑みつづけてきた名匠の新たな挑戦が、いつか実現することに期待したい。

映画『オッペンハイマー』は2024年3月29日(金)公開。

Source: Variety

Writer

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稲垣 貴俊Takatoshi Inagaki

「わかりやすいことはそのまま、わかりづらいことはほんの少しだけわかりやすく」を信条に、主に海外映画・ドラマについて執筆しています。THE RIVERほかウェブ媒体、劇場用プログラム、雑誌などに寄稿。国内の舞台にも携わっています。お問い合わせは inagaki@riverch.jp まで。

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