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【インタビュー】『007/ノー・タイム・トゥ・ダイ』アストンマーティン社員が語るボンドカー誕生までの全て、6ヶ月の制作秘話

007/ノー・タイム・トゥ・ダイ
© 2021 DANJAQ, LLC AND MGM. ALL RIGHTS RESERVED.

ド派手なカーアクション、メロウなロマンス、強敵との荒唐無稽なデスバトル。『007』シリーズで親しまれてきたこれらの名場面を、半世紀以上にわたって支えてきたものがある。世界各国の一流カーメーカーによって提供されてきたボンドカーだ。

なかでも『007』シリーズを代表するボンドカーといえば、2023年で創業100年を迎える英老舗メーカー、アストンマーティンによるものだろう。1964年、シリーズ第3作『007 ゴールドフィンガー』で初登場したアストンマーティンは、最新作『007/ノー・タイム・トゥ・ダイ』でも健在。ダニエル・クレイグが演じる最後の『007』を、4種類のアストンマーティンが豪華に彩る。

『007』のためだけに特注されるアストンマーティンの車は、危険なミッションに向こう見ずで飛び込むボンドを支えるスーパーカーであるだけでなく、演じるダニエルや過激なアクションに挑むスタントドライバーをも満足させるものでなくてはならない。そのため、アストンマーティン社では、新作のたびに『007』のための特別プロジェクトが発足される。

THE RIVERは、この“ボンド・プロジェクト”を『ノー・タイム・トゥ・ダイ』で率いたアストンマーティン社のベン・ストロング氏との取材を行った。在職期間15年のストロング氏は、2018年に“Q Advanced Operations”という名のプロジェクトチームのシニア・プログラム・マネージャーに就任。『007』シリーズの企画に携わるのは、『ノー・タイム・トゥ・ダイ』が初となった。

スーパーカーの制作にあたり、『007』の製作側とアストンマーティン社の橋渡し役を担ったストロング氏。普通であればファンの耳には届くことはないであろう貴重かつマニアックな話の数々を聞かせてくれた。この記事を読み終えた頃には、ボンドカーのスペシャリストになっているかも……?

007/ノー・タイム・トゥ・ダイ
© 2021 DANJAQ, LLC AND MGM. ALL RIGHTS RESERVED.

『ノー・タイム・トゥ・ダイ』に捧げた6ヶ月

── 最初に自己紹介をしていただけますか?

ベン・ストロングです。アストンマーティンにてシニア・プログラム・マネージャーをしています。専門は特別車です。取扱量が少ないほど、より高級になりますし─高級とは言いましたが、アストンマーティンが近頃発表している、貴重でエキゾチックな車のことです。例えば、オープンコックピットの「V12 Speedster」や「DBS ザガート」があります。(英イングランドに位置する)ニューポートパグネル発の車を継続生産していて、最も新しいものは「DB5 ゴールドフィンガー」、以前のモデルには「DB4 GTザガート」があります。“ボンド・プロジェクト”もそのひとつで、今日はその詳細をご紹介しましょう。(映画に使われた)DB5のレプリカ8台や、運転可能なプロトタイプカーのValhallaなど、すべてがこの映画のために特別に製造されたものです。

── “ボンド・プロジェクト”について、もう少し詳しくお聞かせいただけますか?

はい。最初は(『007』の制作会社)イーオン・プロダクションズとの打ち合わせからプロジェクトが始まります。クリス・コーボールドというスタントパーソンがいて―スタント界の大御所ですが―まずは、プロジェクトの最初にクリス率いるチームと会うわけです。そこで、どんな車を求められているのか、それぞれの車にはどんな条件が必要なのかを検討します。条件として求められるのは、地形だったり、使い方だったり、車の登場するシーンだったりしますから、本当に重要なもの。そこから、どんな車が必要なのかをすぐに決定します。クリスから最初に連絡があったのは2018年の11月でしたが、その時に「DB5を映画に出したい。複数のシーンで、DB5でさまざまなことをする必要がある」というお話がありました。

※『007』シリーズでは、特殊効果コーディネーターとしてクレジットされている。

それで私たちからは、「いいですね、DB5が映画に出るのは素晴らしいことです。ただし、シーンの条件に沿うように、オリジナルのDB5を改造しなければ」とお伝えしました。車の上にもう一つの運転席が取り付けられた車が(8台中)2台ありますが、俳優が車に乗っている際、実は別の人間が上から運転しているわけです。車の構造はすべて正しいものでなければならず、究極的には安全性も求められる。どんな場合であれ、それが最初に要求されることです。つまり要件を見れば、DB5が必要であることや、そこで必要とされていることはわかりました。そこから仕様に着手し、映画用の特別なレプリカを作ることや、しかもそれが8台必要なことがわかる。

Writer

THE RIVER編集部
THE RIVER編集部THE RIVER

THE RIVER編集部スタッフが選りすぐりの情報をお届けします。お問い合わせは info@theriver.jp まで。

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