『007/ノー・タイム・トゥ・ダイ』、なぜ『007』ゆかりの戦争映画『今は死ぬ時でない』と同じタイトルなのか

2019年8月、『007』シリーズ第25作のタイトルが『007/ノー・タイム・トゥ・ダイ』になると発表された時、シリーズのファンの間ではにわかに動揺が走った。『ノー・タイム・トゥ・ダイ』というタイトルは、じつは『007』に非常にゆかりの深い作品と同じものだったからだ。
その作品『今は死ぬ時でない(原題:No Time to Die)』は、1958年にイギリスで製作された戦争映画。『007 ドクター・ノオ』(1962)『007 ロシアより愛をこめて』(1963)などのテレンス・ヤングが監督を務め、脚本は『007 消されたライセンス』(1989)までの16作中13作を執筆したリチャード・ベイボームが執筆し、『007 サンダーボール作戦』(1965)の女優ルチアナ・パルッツィが出演した。さらに、製作は『007』初代プロデューサーのアルバート・R・ブロッコリ。なんと、現プロデューサーであるバーバラ・ブロッコリの父親なのである。
しかし『ノー・タイム・トゥ・ダイ』というタイトルを思いついた際、バーバラは『今は死ぬ時でない』との一致にまったく気づかなかったという。英Yahoo!では、「タイトルをひらめいた後、父の古い映画と同じタイトルだと気づきました。だからコロンビア・ピクチャーズ(『今は死ぬ時でない』配給)に許可をもらわなければいけなかった」と語られているのだ。
同じくプロデューサーのマイケル・G・ウィルソンは、このタイトルが決まったのはリミットの直前だったことを明かしている。
「ごくまれに、撮影が始まった後もタイトルが決まらないことがあります。脚本家や監督、みんなでタイトルをたくさん検討するんです。いよいよ時間切れだぞ、というときに、バーバラが(『ノー・タイム・トゥ・ダイ』を)思いついて、みんなで“最高のタイトルだ”と。後になって、昔、オフィスに『今は死ぬ時でない』のポスターがあったことに気づいたんです。」
ウィルソンが「彼女は覚えていたんですよ、すごいと思います(笑)」と言っているように、おそらくバーバラは頭の片隅にこのタイトルを記憶しており、ここぞというところで引き出したのだろう。『ノー・タイム・トゥ・ダイ』というタイトルについて、ウィルソンは「ふさわしいと思う」と述べ、バーバラも「この映画をきちんと表しているもの。映画を観たら同意してもらえると思います」と語った。
映画『007/ノー・タイム・トゥ・ダイ』は2021年10月1日(金)全国公開。
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Source: Yahoo!