「オビ=ワン・ケノービ」は3部作映画として想定されていた、脚本家が構想を語る ─「3つの進化」「死と向き合うことが必要」

Disney+によるオリジナルドラマシリーズ「オビ=ワン・ケノービ」が、もともと3部作構成の映画として計画されていたことがわかった。
こう明かしたのは、第1話・第2話・第3話、そして最終話の第6話の脚本家としてクレジットされていたスチュアート・ビーティー。ところが、スチュアートは映画として計画されていた際に参加していただけであって、ドラマシリーズに移行してからは携わっていないのだという。米The Directのインタビューにてスチュアートは、以下のように説明している。
「このドラマシリーズの基となった映画の脚本を執筆したのは私です。そうですね、1年か1年半ほどかけて書き上げました。ただ、『ハン・ソロ/スター・ウォーズ・ストーリー』が公開された後、スピンオフ映画はもう製作しないという決定がなされてしまい、そこで企画から私は離れることになり、ほかのことに取り組むことにしたんです。そこにジョビー・ハロルド(ヘッドライター)が参加して、私の脚本をもとに、2時間だったものを6時間にしていったんです。だから、彼らとは一緒に仕事をしていません。ただ、僕の内容が含まれているので、エピソードごとのクレジットはもらったんですよ。」
2018年に公開された『ハン・ソロ/スター・ウォーズ・ストーリー』は、ハン・ソロの若き日の姿を描いた冒険映画。その後の展開に期待させる謎を残すような終幕となっており、続編を望む声も多い一作だが、興行成績が思うように振るわなかったことから、その続編は今も発表されていない。また、それはスチュアートがコメントしているように、『スター・ウォーズ』スピンオフ映画全体に影響を及ぼしたというわけである。
スチュアートは、「オビ=ワン・ケノービ」を3部作構成の映画として企画していたことを認めており、そのアイデアにはユアン・マクレガーやルーカスフィルムも好意的な姿勢を示していたとのこと。ストーリーをルーカスフィルムに持ち込んだとき、スチュアートは「3つの物語があります。オビ=ワンからベン(・ケノービ)になるためには、彼が通らなければならない3つの進化があるので」と伝えたそうだ。
「1つ目が1作目となるはずだった映画で、ドラマでは“フォースの意志に身を委ねよ。 自分の意志をトランスポートせよ、降伏せよ。子供には手を出すな”というものでした。2作目では、ケノービの行き着く先について考えていたんです。オビ=ワンの物語の中で最も力強く、パワフルな瞬間のひとつが、『スター・ウォーズ エピソード4/新たなる希望』(1977)で彼が自分を犠牲にするところでしょう。あれは本当に素晴らしく、泣けますよね。ただ、立ち止まって考えてみると、それはとても突然なことなんです。あの男と戦い、ルークを見て、“俺は死ぬ”みたいな。私としては、あらためて考える必要があったんです。こうなることを事前に受け入れるためのものを。」
「オビ=ワン・ケノービ」の第2作では、“自分の死と折り合いをつける”姿を描くことにより、ダース・ベイダーとの決戦で、オビ=ワンが自らの命を犠牲にする姿により説得力を持たせられると、スチュアートは考えたようだ。
「自分の死と折り合いをつけることは、私たちが皆苦労している普遍的なことのひとつです。オビ=ワンが自分の死と向き合わなければならないのは、予言あるいはクワイ=ガン・ジンから、“善のために自分を犠牲にしなければならないときが来る”と言われたとき、“なぜですか。僕は助けに来たんです。それはできません”と言うからでしょう。そして、オビ=ワンが死を受け入れ、大事な瞬間に直面したとき、そのときが訪れたことがわかるわけです。それこそが、『スター・ウォーズ エピソード4/新たなる希望』だったんですよ。」
2022年6月22日の最終話をもって完結した「オビ=ワン・ケノービ」は、ワンシーズンかぎりのリミテッドシリーズ。これからのオビ=ワンが歩む道を観たいという声も上がっているが、現時点では、シーズン2へとシリーズが更新される予定はない。もっとも、ルーカスフィルムのキャスリーン・ケネディ社長は前向きな姿勢を示していた。もしも製作されることになった場合、スチュアートが構想した物語が描かれるかもしれない。
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Source: The Direct