実写「ONE PIECE」、尾田栄一郎を動かしたのは「プリズン・ブレイク」だった?

大人気コミック「ONE PIECE」の原作者・尾田栄一郎は、アメリカの制作会社から実写映像化権を譲ってくれないかとアプローチを受けた時、一度首を横に振った。ところが、その制作会社があるドラマを制作したと聞いて、尾田は態度を軟化させたのだという。海外ドラマファンにはお馴染みの「プリズン・ブレイク」(2005-2017)だ。
「プリズン・ブレイク」といえば、2005年から2009年にかけてアメリカで放送された脱獄サスペンス。日本でも2006年にレンタル・放送開始となり、人気を博した。『24 -TWENTY FOUR-』や『LOST』と並び、海外ドラマの一時代を築いた有名シリーズだ。2017年にはシーズン4衝撃のラストから7年後を描いたシーズン5も製作されている。
この度、貴重な制作裏のエピソードを語るのは、Netflix実写シリーズ「ONE PIECE」を手掛けた米Tomorrow StudiosのCEO、マーティ・アデルスタイン。米Deadlineより、いかにして実写化にこぎつけたのかと訊かれたアデルスタインは、その意外な経緯を明かしている。
「あれはかなり面白かったですね。尾田先生は最初、やらないよって感じでした。でも私が、『プリズン・ブレイク』に関わっていたと聞いてから、とても乗り気になったんです。それから(実写化の)権利を譲っていただけて。アジア、特に日本では、電話越しでは何も出来ない。直接お会いしなければいけません。あの文化には、それが重要なのです。」
もちろん実際に権利を勝ち取るまでには、もっと長く複雑な経緯があっただろう。アデルスタインは尾田と接触する為に、日本国内にいるファシリテーターを2人雇い、年に数回日本を訪れて会議を行なっていたという。いざ尾田と連絡が取れても提案をはね付けられそうになる中、まさか「プリズン・ブレイク」が突破口になったとは。尾田も熱狂的なファンだったのだろうか。
このような経緯で実写化された「ONE PIECE」は、漫画実写化作品のパフォーマンスに苦戦してきたNetflixの成功基準を上回った。すでにシーズン2の脚本も完成済みだといい、アデルスタイン率いるTomorrow Studiosは12シーズンの制作を希望している。
ちなみに、「ONE PIECE」連載当初の尾田は、作中の漫画的表現を実写化できるとは思っていなかった。これは制作会社を決める以前の問題だが、2002公開の大ヒット作『少林サッカー』を鑑賞後に「ONE PIECE」実写化の可能性を感じたという。
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Source: Deadline