実写版「ONE PIECE」ルフィ&シャンクスの名場面、再現に重要だった3つのポイント ─ 「マーベルのようにはしたくなかった」と監督

Netflix実写シリーズ「ONE PIECE」が遂に配信開始となった。主人公モンキー・D・ルフィの長い冒険の始まりを告げた本シリーズでは、尾田栄一郎による原作漫画で描かれた名シーンが早速いくつも登場した。
海賊王になるというルフィの大きな夢の導き手といえば、赤髪のシャンクス。赤髪海賊団を率いるシャンクスは、幼いルフィに自身の大切な麦わら帽子を託し、イーストブルーを後にした。原作漫画では第1巻で描かれる同シーンだが、実写版では回想形式で第2話に登場した。
序盤から希望を感じられる明るいトーンで進行していった実写版だが、原作や漫画と同様にルフィとシャンクスのシーンについては感動的なタッチで描かれた。米The Hollywood Reporterでは、監督のマーク・ジョブストが同シーンでの困難を語っている。
「全てはトーンが重要でした。(ショーランナーの)スティーブと(脚本家の)マット、スタジオ、Netflixと一緒にトーンについてたくさん話し合いました。もしあまりにもふざけた感じにしてしまったら、ただのおバカなくだらないものになってしまう。一方で、もしダークな部分に偏りすぎても、『ONE PIECE』の本質を逃してしまう。どうにかして、バランスを見つけることが大切でした。」
ジョブスト監督はマーベルドラマの「デアデビル」「ルーク・ケイジ」や「ウィッチャー」といったアクションジャンルを手がけてきた人物。企画に参加する前は「ONE PIECE」の存在を知ってはいたというが、内容自体は知らなかった為、自身の勘に頼るのではなく、脚本を忠実に映像化することに努めた。とりわけ、ルフィとシャンクスのシーンにおいて、ジョブスト監督が特に重要視したのがキャスティング、アクション、カメラワークの3つ。なかでもカメラの動きや位置は細かく研究したようだ。
「『ONE PIECE』では、私がこれまで撮ってきたマーベルや『ウィッチャー』のアクションのようにはしたくありませんでした。スタイルを掴むためにどうカメラを使うか、トーンや漫画の画角を呼び起こすのに必要なカメラワークなどが大切でした。」
確かに、シークエンスの随所には原作漫画を意識したカットが登場する。シャンクスがルフィに帽子を託すシークエンスを一つ取ってみても、海賊王になると意気込むルフィにシャンクスが「俺を越えるのか」と返すカットは漫画と同じ構図が踏襲されている。帽子を渡すあの有名なカットにおいても同様だ。
このように原作に敬意を払いながらも、オリジナルの設定を織り混ぜる実写版「ONE PIECE」。世界中に熱烈なファンを擁するが故にプレッシャーも大きかったと想像できるが、現時点で米Rotten Tomatoesでは批評家スコア82%、オーディエンススコア94%と好調だ。
Netflixシリーズ「ONE PIECE」 は配信中。
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Source: THR