ノーラン、『オッペンハイマー』70mmフィルム版を初めて見せた相手はスティーブン・スピルバーグだった

映画監督クリストファー・ノーランが、『オッペンハイマー』の70mmフィルム上映を初めて見せた相手は巨匠スティーブン・スピルバーグだった。米AP通信でのドゥニ・ヴィルヌーヴ監督との対談にて明かした。
劇場ならではの映画体験に並々ならぬこだわりを持つノーランは、『オッペンハイマー』のプレミアムラージフォーマット上映に、IMAX 70mm・70mmフィルム・35mmフィルム・IMAX・ドルビーシネマ・4Kデジタルシネマの6形式を用意(日本国内ではIMAX・ドルビーシネマ・35mmフィルムで鑑賞可能)。なかでも傑出した映像で上映できるのが、世界でも上映できる劇場が限られている70mmフィルムだ。
ノーラン「(『オッペンハイマー』の)70mmフィルムを手にしたとき、最初に見てもらったのがスティーブン・スピルバーグでした。彼から別件で電話をもらった時、僕はフィルムを手に入れたばかりで、まだ誰にも見せていなかったんです。スタジオ(ユニバーサル・ピクチャーズ)は見ていましたけどね。そこで、彼のために上映したんですよ。映画を見ている彼を、その後ろから見ている──特別な体験でした。」
ヴィルヌーヴによると、スピルバーグは『オッペンハイマー』を非常に気に入ったそう。ノーランも「親切な言葉をかけてもらいました。一緒に観るはずではなかったですが、映画を観ている巨匠を見るのはたまらない思いでしたね」と振り返っている。
ちなみにノーランと同じく、ヴィルヌーヴも劇場体験に強い思い入れがある監督のひとり。アメリカにおける『デューン 砂の惑星PART2』のチケット前売りは、「多くが70mmだったと聞いている」という。これを聞いたノーランは、「人々がこのフォーマットを愛しているということですね」と言い、ヴィルヌーヴも「人々が求め、熱望しているものはイベントなんですよ」と言葉を重ねた。
ヴィルヌーヴ「これこそ映画の生き残る道だと思います。ラージフォーマット、IMAXのように非常に精密な上映は、まぎれもなく映画の未来です。なぜなら自宅では再現できないものだから」
映画『オッペンハイマー』は2024年3月29日(金)公開。『デューン 砂の惑星PART2』は公開中。
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Source: Associated Press