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『エスター』前日譚映画、エスター役続投の前作俳優「今度は子供でいなければならなかった」─ CGや特殊メイクは使用せずに撮影

エスター
© Warner Bros. Pictures 写真:ゼータ イメージ

『エスター』(2009)の前日譚映画『Orphan: First Kill(原題)』では、24歳となったイザベル・ファーマンが、メインキャラクターのエスター役として続投している。10年以上の時を経て、あの少女役を再演することになったわけだが、一体どんな思いだったのだろうか?

この記事には、『エスター』のネタバレが含まれています。

前作『エスター』は、愛する我が子を亡くした夫婦が、悲しみを乗り越えるため、エスターという少女を引き取ったことから恐るべき事態に巻き込まれていく物語。Colliderによると前日譚では、リーナ・クラマーがエストニアの精神病院から脱走、裕福な家庭の行方不明の娘になりすまし、アメリカへ渡る姿が描かれるとのこと。“リーナ”から“エスター”として生活していく中、予想外の出来事に見舞われ、何が何でも家族を守ろうとする母親と対峙することになる。

前日譚を描くのであれば、大人になったファーマンではなく、新たな子役を起用して製作するのが一般的と言えそうだが、本作では彼女本人が再演した。この前代未聞の再演を可能にしたのは、第一級のメイクチームをはじめ、遠近法を使用した撮影方法である

CGによるデジタル若返りが一種の方法論として確立されつつある中、アナログの手法で大胆な子ども返りに挑んだわけだ。The Hollywood Reporterのインタビューにてファーマンは、「子供役を演じるという挑戦は、これまでの映画史で前例のないことだったので、とても気に入っています」と思いを打ち明けている。「映画の歴史を振り返るのが好きで、色々と調べていたのですが、“大人になった俳優が子供の頃に演じた役を再演した例はない”ということに気付きました」。

巨匠のアン・リーがメガホンをとった『ジェミニマン』(2019)では、ウィル・スミスが現在の自分と若い自分の二役を演じていたが、それはVFXの最新技術で創造されたものだ。「文字通り、子供の頃に演じた役を大人になってから再演するということは、これまでに一度もなかったことなんです。不可能に近いことなので。ただ私たちはやり遂げました。特殊効果を使うわけでもなく、クレイジーなメイクのトリックを使ったわけでもありません」。さらに、「どうやって今の私が子供のような姿になっているのか、本当にわからないと思いますそれがとても不気味なんです」と述べており、期待が高まるばかりだ。

前作では、エスターが発育不全のため外見が幼いだけで、実際は大人で、9歳ではなく33歳だったことが判明するという展開が用意されていた。そのため、12歳だった当時のファーマンは、子供を装った大人を説得力を持たせながら演じる必要があったのだ。しかし今度は、24歳となった俳優が子供の役を演じることになる。まさに逆転構造というわけだ。前作では、“大人になる”ことが難しかったようだが、「今度は子供でいなければならなかったんです」と話しており、さすがに混乱してしまったのだという。

なお、ファーマンはプロデューサーを兼任しており、「すべてのトリックは把握しています」と述べており、革新的な撮影方法などについては理解しているようだ。一体、どんなビジュアルに仕上がっているのか。公開日は本記事時点では不明だが、2020年12月に撮影がすでに終了済みのため、2022年内に米国公開される可能性が高そうだ。

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Source:The Hollywood Reporter , Collider

 

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Minami

THE RIVER編集部。「思わず誰かに話して足を運びたくなるような」「映像を見ているかのように読者が想像できるような」を基準に記事を執筆しています。映画のことばかり考えている“映画人間”です。どうぞ、宜しくお願い致します。

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