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【ネタバレ】『ワンス・アポン・ア・タイム・イン・ハリウッド』リック・ダルトンのブチ切れシーン、脚本に存在しなかった ─ ディカプリオの大胆アイデアを採用

ワンス・アポン・ア・タイム・イン・ハリウッド

この記事には、映画『ワンス・アポン・ア・タイム・イン・ハリウッド』のネタバレが含まれています。

リック・ダルトンのセリフ忘れ、ディカプリオのアイデアだった

『ワンス・アポン・ア・タイム・イン・ハリウッド』でディカプリオが演じているのは、かつて西部劇ドラマで一世を風靡したが、今は落ち目のテレビ俳優リック・ダルトン。なんとかキャリアを築こうと悪戦苦闘するリックは、悪役としてドラマ「ランサー」(対決ランサー牧場)に出演する。ところが、入念に準備をして撮影に臨んだリックは、よりによって本番中にセリフを忘れてしまった。「もう一回やらせてくれ!」「続けろ!」。リックは自分自身への怒りをなんとか抑えながら演技を続けるが、その後、自身のトレーラー(控え室)に戻ったリックは一人で激昂する。なぜこんなことになったのか、酒を飲み過ぎたせいではないか……。

イベントでは、これら一連のシーンの舞台裏をタランティーノ自身が語っている。トレーラーでリックが怒りをぶちまけるシーンは、もともとタランティーノが執筆した脚本にはなかったもの。そればかりか、リックが「ランサー」の撮影中にセリフを忘れてしまうという展開さえも存在しなかったというのだ。

「(トレーラーのシーンは)脚本にはなかったので、まったくリハーサルのようなことはしていません。撮影をしている中で思いついたアイデアですね。あの部分まるごと、撮影の中で膨らんでいったんですよ。レオにアイデアがあって、あるとき、“僕(リック)は『ランサー』の撮影をぶち壊さなきゃいけないと思う”と言い出したんです。そうすれば本当の危機が訪れるし、リックはなんとかそこから脱さなければいけなくなると。」

もっとも、ディカプリオのアイデアをタランティーノはすぐに受け入れられなかった。なぜなら、タランティーノが「ランサー」を劇中に取り入れたのは、こっそりと自分なりの西部劇を撮りたいという思いがあったからなのだ。そんなシーンをリックがぶち壊してしまうことは避けたかった、というわけである。

「だから、台無しにならない『ランサー』のシーンを先に撮ってから、ぶち壊されてしまう方を撮りました。そしたら、ぶち壊しになる方がすごく良かった。だから、もちろんそっちを使うことにしたんです。」

ディカプリオのアイデアと演技に触発されたタランティーノは、リックが『ランサー』のセットを去った後のシーンを思いついたという。それが、リックがトレーラーで激昂する場面だ。タランティーノが参考にしたのは、『タクシードライバー』(1976)。ロバート・デ・ニーロ演じるトラヴィスが自室にいるシーンを踏襲したというこのシーンは、脚本を用意せず、ディカプリオが演じた3つのテイクを編集段階で繋ぎ合わせる形で生み出された。

「彼(ディカプリオ)が“何を言えばいいの?”と言うので、“即興でやって欲しい、だけど何について怒るのかは考えるよ”と話しました。なので、リックが苛立ったり、怒り狂ったりしそうなことを4~6個くらい考えておいて。だけど、(ディカプリオに)自分でやってもらうつもりではいたんです。だから(撮影中に)彼が思いつかなくなったら、“ジム・ステイシーに怒って”とか、“あの女の子に怒って”と指示していました。」

ちなみにタランティーノいわく、即興演技に不慣れだったというディカプリオは、このシーンの撮影にはいたく緊張していたとのこと。「あんなに緊張している彼は見たことがなかったですね」。一方のディカプリオは、自身が俳優として味わった経験を思い出しながら演技に臨んだと明かしている。「ああいう(セリフを忘れてしまうような)こともありましたから。僕自身があんなにブチ切れたことはないと思いますけど」

映画『ワンス・アポン・ア・タイム・イン・ハリウッド/エクステンデッド・カット』は2019年11月15日(金)より2週間限定公開中。

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Sources: Cinema Blend, IndieWire

Writer

稲垣 貴俊
稲垣 貴俊Takatoshi Inagaki

「わかりやすいことはそのまま、わかりづらいことはほんの少しだけわかりやすく」を信条に、主に海外映画・ドラマについて執筆しています。THE RIVERほかウェブ媒体、劇場用プログラム、雑誌などに寄稿。国内の舞台にも携わっています。お問い合わせは inagaki@riverch.jp まで。

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