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シスターフッドの物語が始まる、『パピチャ 未来へのランウェイ』冒頭映像 ─ アルジェリアの弾圧、デザイナーめざす少女の視点から描く

パピチャ 未来へのランウェイ
© 2019 HIGH SEA PRODUCTION – THE INK CONNECTION – TAYDA FILM – SCOPE PICTURES – TRIBUS P FILMS - JOUR2FETE – CREAMINAL - CALESON – CADC

内戦下のアルジェリアで起こっていた弾圧の真実を、ファッションデザイナーを夢見る少女の視点から描く。2019年のカンヌ国際映画祭「ある視点」部門に正式出品された、『パピチャ 未来へのランウェイ』が2020年10月30日(金)より全国公開となる。

本作は、政治情勢が不安定となっていた本国アルジェリアでは、先行上映が当局によって説明なしに中止され、現在まで公開に至っていない一作。このたび、国連が採択する「国際ガールズ・デー」の10月11日を記念して、“シスターフッドの物語”の幕開けを告げる冒頭映像が公開された。

1990年代、アルジェリア。ファッションデザイナーを夢見る大学生のネジュマはナイトクラブで自作のドレスを販売している。夢は、世界中の女性の服を作るデザイナーになること。しかし、過激派のイスラム主義勢力によるテロが頻発する首都アルジェでは、ヒジャブの着用を強制するポスターが至るところに貼られていた。従うことを拒むネジュマは、ある悲劇的な出来事をきっかけに、自分たちの自由と未来のため、命がけでファッションショーを行うことを決意する……。

親元を離れて大学寮で暮らす主人公のネジュマ(リナ・クードリ)は、ルームメイトで親友のワシラ(シリン・ブティラ)とナイトクラブに繰り出すのが楽しみのひとつ。二人は寮の部屋をこっそり抜け出し、ナイトクラブに向かうために待たせていた白タクへと走っていく。タクシーに乗るや、二人はゴージャスなドレスに着替え始めるが、運転手は呆れた様子。お気に入りの曲とともに見るアルジェの風景は、あちこちがネオンで照らされ、車や人々が行き交い、眠らない街の賑わいだ。しかし、突如として武装グループの襲撃事件を伝えるニュースがラジオで流れる。銃を携えた男たちによる検問に気付いた運転手が「音楽を消せ」と告げると、二人は持っていた布で急いで身体を覆った。

やがて抑圧が増していく中も、二人はお気に入りの服を買い、好きなアーティストのポスターを並べ、そして恋をする。青春を謳歌する彼女たちの様子を垣間見られるオープニングシーンだ。

パピチャ 未来へのランウェイ
© 2019 HIGH SEA PRODUCTION – THE INK CONNECTION – TAYDA FILM – SCOPE PICTURES – TRIBUS P FILMS – JOUR2FETE – CREAMINAL – CALESON – CADC

監督を務めるのは、これが長編映画デビュー作となるムニア・メドゥール。本作は、アルジェリアに17歳まで暮らしていた自身の経験から生まれた物語だ。タイトルの「パピチャ」は、“愉快で魅力的で常識にとらわれない自由な女性”を意味するアルジェリアのスラングだが、題名の通り、媚びず、流されずに立ち向かう少女たちの力強さが観客に勇気を与え、性差による抑圧からの解放を謳う作品だとして話題を呼んだ。

本作の背景となるのは、1991年にアルジェリアで始まった内戦、いわゆる“暗黒の10年”。メドゥール監督は「あの時代を描きたい、というのが出発点だった」と述べる。「海外では1990年代のテロ映像を目にすることは多いけれど、実際の生活は知られていない。だから、この映画ではアルジェリア社会の内側を見せたかった。その中心は少女たちの小さな世界、繭のように心地のいい女性たちの世界。彼女たちを中心に当時の闘いを描きたかった」。

ちなみに、ネジュマがタクシーのカセットデッキにかけた曲は、1989年に発表されて日本でもヒットしたテクノトロニックの「ゲット・アップ/Get Up (Before The Night Is Over)」。監督は「脚本の執筆中から、音楽は1990年代のものを使うと決めていた。アルジェリアの若者たちは、世界中のほかの国の若者と同じ音楽を聴いていた。彼らと同じヒット曲を聴いて踊り、お祭り騒ぎをしていたんです」と自身の経験を振り返っている。

パピチャ 未来へのランウェイ
© 2019 HIGH SEA PRODUCTION – THE INK CONNECTION – TAYDA FILM – SCOPE PICTURES – TRIBUS P FILMS – JOUR2FETE – CREAMINAL – CALESON – CADC
パピチャ 未来へのランウェイ
© 2019 HIGH SEA PRODUCTION – THE INK CONNECTION – TAYDA FILM – SCOPE PICTURES – TRIBUS P FILMS – JOUR2FETE – CREAMINAL – CALESON – CADC
パピチャ 未来へのランウェイ
© 2019 HIGH SEA PRODUCTION – THE INK CONNECTION – TAYDA FILM – SCOPE PICTURES – TRIBUS P FILMS – JOUR2FETE – CREAMINAL – CALESON – CADC

映画『パピチャ 未来へのランウェイ』は2020年10月30日(金)よりBunkamuraル・シネマ、ヒューマントラストシネマ有楽町ほか全国ロードショー

Writer

THE RIVER編集部
THE RIVER編集部THE RIVER

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