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「ピースメイカー」、『ターミネーター2』ロバート・パトリック演じる父親は「真のクズ男」 ─ 現代のヴィラン像を反映、ガン監督が意図を語る

ピースメイカー
Peacemaker and all related characters and elements © & TM DC and Warner Bros. Entertainment Inc.

DCコミックスの新ドラマ「ピースメイカー」は、ジョン・シナ演じるクズヒーロー“ピースメイカー”の新たな物語を描きながら、彼のオリジンにも迫っていく。これを伝える手段として、ピースメイカーにクズ具合をしっかり引き継いだ父親オーガスト・“オーギー”・スミスが登場する。

この記事には、「ピースメイカー」第1話『まったく新しいめくるめく世界』のネタバレが含まれています。

ピースメイカー
Peacemaker and all related characters and elements © & TM DC and Warner Bros. Entertainment Inc.

演じているのは、『ターミネーター2』(1991)のT-1000役で知られているロバート・パトリック。ジェームズ・ガン監督は、特に往年の映画ファンに親しまれてきたパトリックを起用して、「真のクズ男」と自ら呼んでしまうほどのキャラクターを生み出した。ガン監督はオーギー・スミスというヴィランに説得力を与えるために工夫したことを米Polygonに語っている。

「彼は真のクズ男です。私たちの世界でリアル(な男)ですし、私たちの生活でもリアルです。こういう類の物語で描かれてきたマクドナルド的な白人至上主義は、僕にとって本物ではないように思えたんです。なので、僕は彼にありのままでいてもらったんです。それがクズのレイシストだったわけです。」

「ピースメイカー」第1話『まったく新しいめくるめく世界』では、ガン監督の言うオーギーの「レイシスト」ぶりがさっそく描かれている。息子のピースメイカー/クリスを自宅の隠れラボに案内したオーギーは、高性能マスクを渡す際、その条件として「いいことに使う」ことを要求する。しかし、オーギーの言う“いいこと”とは、具体的に「アカや黒人、カトリック教徒やユダヤ人を消すこと」だった。これには映画『ザ・スーサイド・スクワッド “極”悪党、集結』(2021)で歪んだ正義を語っていた息子も「そんな殺しはしない」とため息をついており、その悪人ぶりがかすんでしまうほどだ。

ガン監督の取り組みには、オーギーを演じたロバート・パトリックも説明を加えている。パトリックは、「オーギー・スミスはこれ(ドラマ)よりも前にDCのコミックの世界に存在していました」と話した上で、コミックの設定を継承しながらもオリジナリティを生み出すガン監督の意図をこう語る。

「ジェームズは、60年代に描かれた彼(オーギー)の要素を受け継いでいますし、それを育てて現代に合わせようとしてもいると思います。見守り続けていたら、オギーがどれだけとんでもない人間なのかを理解出来るでしょう。彼の人種差別はその一例です。」

パトリックが演じるオーギーは、原作コミックの「ホワイトドラゴン」というスーパーヴィランに着想を得ている。その名前の由来は白人至上主義を掲げる秘密結社「クー・クラックス・クラン(KKK)にちなんでおり、原作コミックでもレイシストの設定だ。ちなみに原作では、オーギーとピースメイカーは親子関係にはなく、「ピースメイカー」ではガン監督が独自に脚色を加えたようだ。

もっともドラマの情報欄を確認すると、オーギーは「ホワイトドラゴン」の名でもクレジットされており、きたるエピソードでスーパーヴィランへと変貌を遂げていくようだ。パトリックが言うように、ひとまずは“見守る”こととしよう。

DCドラマ「ピースメイカー」はU-NEXTにて見放題で独占配信中。

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Source: Polygon

Writer

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SawadyYOSHINORI SAWADA

THE RIVER編集部。宇宙、アウトドア、ダンスと多趣味ですが、一番はやはり映画。 "Old is New"という言葉の表すような新鮮且つ謙虚な姿勢を心構えに物書きをしています。 宜しくお願い致します。ご連絡はsawada@riverch.jpまで。

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