この記事には、「ピースメイカー」シーズン2 第1話『ギリギリな絆』のネタバレが含まれています。

「ピースメイカー」シーズン2はいかにして新DCユニバースに移行したか

ジェームズ・ガンが監督を務めるドラマ「ピースメイカー」は、映画『ザ・スーサイド・スクワッド “極”悪党、集結』（2021）に登場したピースメイカー／クリストファー・スミスを主人公とするスピンオフシリーズ。これらは、ザック・スナイダー監督『ジャスティス・リーグ』（2017）を中心とする、いわゆるDCエクステンデッド・ユニバース（DCEU）内の物語だ。

そのため「ピースメイカー」シーズン1の最終話では、ジャスティス・リーグのメンバーがカメオ登場。スーパーマン、アクアマン、フラッシュ、ワンダーウーマンが姿を見せ、そのうちアクアマン（ジェイソン・モモア）とフラッシュ（エズラ・ミラー）は顔を見せ、セリフも与えられた。

するとシーズン1の後、ワーナー・ブラザースの新戦略によってDCEUは打ち切り終了が決定。ジェームズ・ガンが手掛けるアニメ「クリーチャー・コマンドーズ」と映画『スーパーマン』を皮切りに、全く新しいDCユニバースが始動した。このユニバースには、旧シリーズからピースメイカー、アマンダ・ウォラー、ブルービートル／ハイメ・レイエスが再登場することも告知されていた。

自然と、ピースメイカーがいかにして新ユニバースに移行するのかが注目点だった。事前の予告編映像では、ピースメイカーがポケットユニバースの扉を通じて並行世界に足を踏み入れ、もう一人の自分自身と出会う場面もあり、これは様々な想像を掻き立てた。

ところが、である！配信されたシーズン2第1話『ギリギリな絆』では、冒頭からいきなり「これまでの“DCU”は……」と振り返り。ここでは、DCUとの呼称が扱われているのが肝だ。旧シリーズはDCEUと便宜的に呼ばれていたが、実は厳密には正式名称ではなかった。一方、新シリーズは正式に“DCU”であると宣言されているのだ。

さらにこの振り返り映像の中では、ジャスティス・リーグが登場したシーズン1最終話での彼らの姿が、ミスター・テリフィック、スーパーマン、グリーン・ランタン、ホークガール、スーパーガールから成るジャスティス・ギャングの姿に差し替えられた。レオタ・アデバヨにわざわざ「応援を呼んでよ。ジャスティス・ギャングとか」と言わせるセリフまで再録して……。

つまり、「ピースメイカー」シーズン1の物語は、はじめからDCEUではなくDCUのものだった、ということなのか？そもそも彼はずっとDCUに存在していたのか？その真意は、後に紹介するガンの説明によって明らかになる……。