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サイモン・ペッグ、『スター・ウォーズ』ジャー・ジャー・ビンクスへの攻撃を後悔 ― 人気作品も「単なる映画だ」

サイモン・ペグ
Photo by vagueonthehow https://www.flickr.com/photos/vagueonthehow/9418456640/

映画『ミッション:インポッシブル』シリーズや『スター・トレック』シリーズなどで知られる俳優サイモン・ペッグが、『スター・ウォーズ』史上“最も嫌われたキャラクター”と称されるジャー・ジャー・ビンクスについて後悔の念を吐露している。

サイモン・ペッグといえば、出世作となったドラマ「SPACED ~俺たちルームシェアリング~」(1999-2001)で『スター・ウォーズ』マニアの主人公を演じ、自身も大の『スター・ウォーズ』ファンとして知られる人物。盟友J・J・エイブラムスの手がけた『スター・ウォーズ/フォースの覚醒』(2015)ではアンカー・プラット役を演じていた。

そんなサイモンは、『スター・ウォーズ』プリクエル3部作の第1弾『エピソード1/ファントム・メナス』(1999)の公開時、少なからぬファンと同様ジャー・ジャー・ビンクスにネガティブな印象を抱き、攻撃的な態度を取っていたようだ。
ところが先日、ジャー・ジャー・ビンクス役のアーメド・ベストが、激しいバッシングを苦に自殺を考えていたことを告白。この件についてサイモンは、「実際に被害者がいたこと、人間の被害者がいたということを本当に恥ずかしく思います」と米NowThisのインタビューにて述べている。

「多くの人(スター・ウォーズ・ファン)は、ジャー・ジャー・ビンクスという生き物が本当に存在するように感じていて、うっとうしいとか、好きじゃないとか、そういうことを嘆いていたと思うんです。でもその裏側には一人の人間がいた。あれ(アーメド・ベストの告白)を読んで、“ああ、僕もそのうちの(アーメドを苦しめたうちの)一人だったんだ”と思ったんです。恐ろしい気持ちになりました。」

『スター・ウォーズ/最後のジェダイ』(2017)の賛否両論を受けて、海外メディアでは『スター・ウォーズ』の“有毒なファン・コミュニティ”がしばしば問題視されている。同作の公開後、脚本・監督のライアン・ジョンソン、ローズ役のケリー・マリー・トランには嫌がらせや差別発言が日常的に繰り返されてきたのだ。
こうした動きについて、サイモンは「そこには(人間同士の)交渉も共感もありません」と語り、人々に改めて強いメッセージを呼びかけた。

「僕たちはどんどん視野が狭くなってきているんです。どんどん利己的になって、自分の意見や自分にとって必要なもの、自分が欲しいものを勝手に言うようになっている。ケリー・マリー・トランには申し訳なく思っていますよ。だって彼女は映画に出ただけ…単なる映画に出た、ただそれだけなんですから。重要なことは何もありません。何ひとつないんです。」

現在の『スター・ウォーズ』のファン・コミュニティをめぐる状況について、サイモンは「みんながうまくやれば良くなると思います」と述べた。「みんなが理解して、著しく攻撃的になるのをやめるんですよ。」

Sources: NowThis, IW
Eyecatch Image: Photo by vagueonthehow

Writer

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稲垣 貴俊Takatoshi Inagaki

「わかりやすいことはそのまま、わかりづらいことはほんの少しだけわかりやすく」を信条に、主に海外映画・ドラマについて執筆しています。THE RIVERほかウェブ媒体、劇場用プログラム、雑誌などに寄稿。国内の舞台にも携わっています。お問い合わせは inagaki@riverch.jp まで。