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幻のタランティーノ版『スター・トレック』、「とんでもなくクレイジー」だったとサイモン・ペッグ ─ 「最高の機会になっていたはず」

『ミッション:インポッシブル/フォールアウト』ジャパンプレミア トム・クルーズ、サイモン・ペッグ、ヘンリー・カヴィル、クリストファー・マッカリー監督
©THE RIVER

かつて、映画『スター・トレック』シリーズの新作映画をクエンティン・タランティーノが手がける可能性があった。

2017年、タランティーノ自身がパラマウント・ピクチャーズに企画を持ち込み、当初は監督・原案を務める方針で動いていたが、のちに監督から離脱し、その後もコロナ禍の影響やスタジオの方針が重なって自然消滅していたのだ。

J・J・エイブラムス監督『スター・トレック』(2009)から始まった「ケルヴィン・タイムライン」でモンゴメリー・スコット役を演じてきたサイモン・ペッグは、この“幻のタランティーノ版”に出演するとみられていた一人。ボストンで開催されたFan Expoにて、タランティーノ版についてわずかに知っていることを語った。

報道によると、タランティーノは『スター・トレック』の脚本を『レヴェナント:蘇えりし者』(2015)のマーク・L・スミスと共同執筆し、すでに完成していたといわれる。ペッグは脚本そのものを読んではいなかったが、プロデューサーのエイブラムスとリンジー・ウェバーから全体像の説明を受けたという。

「この業界でいうところの、“とんでもなくクレイジー”なものでした。クエンティン・タランティーノが書く『スター・トレック』の脚本に期待するものがすべてあったんです。」

以前、タランティーノ版「1930年代のギャング映画めいた設定」だったことが判明しており、タランティーノ自身が「宇宙版パルプ・フィクション」と形容、共同脚本のスミスも「すごくエッジの効いた、タランティーノ節が炸裂したもの」「『パルプ・フィクション』的な暴力も描かれる予定だった」と明かしていた。

ペッグは「彼の視点で描く『スター・トレック』は素晴らしい、貴重な機会になっていたはず」という。「ファンの皆さんがどう受け止めたかはわかりませんが、間違いなく興味深いものになっていたと思います」。

『スター・トレック』のケルヴィン・タイムライン最新作は、その後もうまく進行しておらず、2024年3月に「フライト・アテンダント」(2020-2022)のスティーブ・ヨッキーが脚本家として就任したあとの進捗は不明。パラマウントはほかにも複数の企画を進めていたが、いずれも現状はわかっていない。

もっとも、ペッグはシリーズの今後に前向きな姿勢だ。『スター・トレック』にエグゼクティブ・プロデューサーとして携わってきたデヴィッド・エリソンが、パラマウント・ピクチャーズの親会社パラマウント・グローバルとスカイダンス・メディアの合併を受け、新企業パラマウント・スカイダンス・コーポレーションの会長兼CEOとなったのだ。

「デヴィッドはずっとケルヴィン・タイムラインの熱心なサポーターでした。もしかすると新作を作ることができるかもしれません」とペッグ。朗報が届くことを楽しみに待ちたい。

Source: Collider

Writer

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稲垣 貴俊Takatoshi Inagaki

「わかりやすいことはそのまま、わかりづらいことはほんの少しだけわかりやすく」を信条に、主に海外映画・ドラマについて執筆しています。THE RIVERほかウェブ媒体、劇場用プログラム、雑誌などに寄稿。国内の舞台にも携わっています。お問い合わせは inagaki@riverch.jp まで。

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