注目女優、クリステン・スチュワート主演!『パーソナル・ショッパー』の美しくも奇妙な衝撃

2017年5月、スクリーンで一番私たちの心を掴む女性はこの人だろう。クリステン・スチュワート

5月5日に公開される、ウディ・アレン監督による『カフェ・ソサエティ』で、クリステンは主人公が恋に落ちる女性、ヴェロニカを熱演している。それに続いて、5月12日に公開を控えているのが、彼女が主演を務める映画『パーソナル・ショッパー』である。 

タイトルにもなっている“パーソナル・ショッパー”とは、多忙な有名人に代わって服やアクセサリーを買いつける人のこと。クリステンが演じる主人公、モウリーンはそのセンスを生かしてパリでパーソナル・ショッパーとして仕事をしているのだ。しかしモウリーンは双子の兄を亡くしており、悲しみから立ち直れずにいた。

そんな時、彼女の携帯に送り主不明の奇妙なメッセージが届く。そのメッセージはまるでモウリーンを監視しているかのように、彼女の中の“別人になりたい”という願望をさらけだしていく。そして起こる殺人事件……。事態はどこに向かっているのか、というストーリーだ。

『パーソナル・ショッパー』には、クリステン自身が広告塔を務めるシャネルが衣装協力しており、その他にも様々なハイブランドが登場する。サスペンス・ストーリーでファッショナブルというと、ニコラス・ウィンディング・レフン監督による『ネオン・デーモン』が頭をよぎるが、きっとこの『パーソナル・ショッパー』を観始めた瞬間、こう思わされるだろう。「これは何かが違う」と。そして鑑賞中、ずっと私たちは「何かがおかしい」と思うことになる。そして物語が終わると「予想と違った」という感想が飛び出すだろう。

『パーソナル・ショッパー』はファッショナブルでサスペンスフル、そして今までに感じたことのない衝撃を与えてくれる映画なのだ。

“欲望”が引き寄せるミステリー

©2016 CG Cinema – VORTEX SUTRA – DETAILFILM – SIRENA FILM – ARTE France CINEMA – ARTE Deutschland / WDR

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モウリーンは、パーソナル・ショッパーという仕事に対して不満があった。その理由の一つが、雇い主のわがままセレブ・キーラに服やアクセサリーの試着を禁じられていること。しかし彼女に届いた奇妙なメッセージは、モウリーンの秘めた欲望を暴き出していく。別人になりたいという欲望を。

他人が何を考えているか、手にとるように分かる人はいないだろう。家族でも友人でも、体も心も違う別の人間だからだ。では、自分自身のことを正確に理解している人はいるだろうか? 「私はこういう人間です」と、はっきり自信満々に言える人はいるだろうか?

今の自分とは別の人間になりたい。この欲求は、男性より女性の方が強いかもしれない。選ぶ服のジャンルで雰囲気をガラッと変えられるし、メイクでリップの色を変えただけで違う表情になれる。世の中にはモデルや女優などの“憧れの存在”を目にする場所も多いから、「もっとああなりたい、こうなりたい」という願望だって生まれる。

もしかしたら女性に限らず、人間には誰でも、自分の中にもう一人の自分が眠っているのかもしれない。どんなきっかけでその自分を見つけるのか、果たしてその自分を見つけていいものなのか、それは分からない。『パーソナル・ショッパー』は、そんな個人のアイデンティティーのあり方を、ファッショナブルでサスペンスフルなテイストで描きだした物語なのだ。

自己との向き合い方について描かれた映画はこれまでにもたくさんあった。しかし『パーソナル・ショッパー』では、私たちもモウリーンと一緒にヒヤリとした空間を手探りで進んでゆく。ぜひ恐ろしくも奇妙なこの映画の世界観確かめて頂きたい

魅力全開!クリステン・スチュワート

©2016 CG Cinema – VORTEX SUTRA – DETAILFILM – SIRENA FILM – ARTE France CINEMA – ARTE Deutschland / WDR

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『カフェ・ソサエティ』では1930年代の流行ファッションに身を包んだクリステン・スチュワートを見ることができる。白のエレガントな色気を放つドレス、すそを結んだシャツにショートパンツを合わせたキュートなビーチスタイル。ゆるくカールした髪にはいつもリボンを。そんなガーリーなファッションが印象的だったが、『パーソナル・ショッパー』では全く違ういでたちだ。

セレブの身につける服やアクセサリーの買い付け役として、抜群のセンスを発揮しているモウリーンだが、彼女の私服はとてもメンズライクだ。セーターにTシャツ、変哲のないスキニー。髪の毛だってストレートに、無造作に横に流している。斜に構えて煙草を吸う姿は、どこか90年代のウィノナ・ライダーを思い出させるクールな美しさだ。

そんなカジュアルなファッションに身を包んでいるモウリーンが、キーラのドレスを試着する姿は息をのむほど妖艶だ。ミステリアスで危うい美しさを放つクリステン・スチュワートが、この映画の不思議な魅力をより盛り上げている。

『カフェ・ソサエティ』『パーソナル・ショッパー』。全く雰囲気の違う役を演じているクリステン・スチュワートだが、どちらの作品でも、彼女のもつ抗えない美しさを見ることができる。

キャッチコピーは“私は誰よりも彼女を知っている。
果たしてこの言葉にはどのような意味があるのか、モウリーンはどこへ向かっていくのか。カンヌ国際映画祭で監督賞を受賞した『パーソナル・ショッパー』。ぜひ劇場で、
このきらびやかな美しい世界と、寒気がするような狂気の世界を一緒に堪能してみてはいかがだろうか。

『パーソナル・ショッパー』は、5月12日(金) TOHOシネマズ 六本木ヒルズほか全国ロードショー。
http://personalshopper-movie.com

ウディ・アレンの恋愛映画を振り返りながら、最新作『カフェ・ソサエティ』日本公開を待とう

 ©2016 CG Cinema ‐ VORTEX SUTRA ‐ DETAILFILM ‐ SIRENA FILM ‐ ARTE France CINEMA ‐ ARTE Deutschland / WDR

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フリーライター(1995生まれ/マグル)

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