『プロジェクト・ヘイル・メアリー』脚本家「私が読書中に感じた感情を、みんなにも体験してもらおうと努めた」【インタビュー】

ライアン・ゴズリング主演の映画『プロジェクト・ヘイル・メアリー』では、『火星の人』アンディ・ウィアー著による人気SF小説を、『スパイダーマン:スパイダーバース』シリーズなどで知られるフィル・ロード&クリストファー・ミラーが忠実に映像化を果たした。
滅亡の危機に瀕した地球の運命を託された中学の科学教師グレースが、宇宙の果てで同じ目的を持つ生命体ロッキーと出会い、共に命をかけて故郷を救うミッションを描いた感動のSF超大作。THE RIVERでは、『火星の人』を翻案した『オデッセイ』(2015)に続いてウィアー作品の脚本を手がけたドリュー・ゴダードにインタビュー。原作を脚本に起こす上で心掛けたことや、物語の核心の捉え方について聞いた。

『プロジェクト・ヘイル・メアリー』脚本 ドリュー・ゴダード インタビュー
──この映画の脚本家として、最も挑戦的だった、あるいは挑戦的だったからこそ最終的にやりがいを感じたシーンを1つ挙げるとしたらどれですか?
ドリュー:この映画が本当に難しいのは、2人のキャラクターに関する物語でありながら、1人は人間、もう1人は銀河の反対側から来た異星人だという点です。 異星人の名前はロッキーといい、クモと岩とカニを合わせたような姿をしています。 彼には顔がなく、感情を表現する手段を持たず、クジラの歌声のような音で話します。 地球の大気中では生きていけません。
これでシーンを作るのは本当に難しいですよね? なぜなら、同じ言語を話さないというだけでなく、生物学的な構造すら全く違うからです。 そこで私たちが気付いたのは、その「困難さ」こそが核心(ポイント)なのだということでした。 つまり、彼らが生き残る唯一の手段は、思いやり(compassion)と共感(empathy)だということです。 相手の視点から物事を見る方法を見つけなければならない、それこそがこの映画の核心でした。 だから、それが単なる「困難な課題」ではなく、実は映画の「魂(soul)」なのだと気付いた瞬間、すべてが明確に定義されました。

──執筆中、アンディとはよく会話をされましたか?
ドリュー:もちろんです。アンディと私は、今となっては友人ですから。10年以上一緒に仕事をしてきて、その友情はスクリーンにも表れていると思います。 なんというか、常に話をしているんですよ。映画の話をすることもあれば、単に近況報告をするだけの時もあります。 この映画は友情についての物語であり、互いに友人同士である多くの人々によって作られたのは決して偶然ではありません。

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──日本には原作の熱心なファンが数多くおり、映画化の発表以降、さらに多くの読者がこの作品に出会っています。日本の観客は、友情を描いたスリリングなSF作品を特に好む傾向があります。原作ファンにとって、映画版で特に注目し、楽しみにすべきポイントはどこでしょうか?
ドリュー:今回の原作は、より野心的で成熟した作品だと思っています。『プロジェクト・ヘイル・メアリー』は、はるかに複雑な物語です。 だからこそ、とてもプレッシャーを感じました(恐ろしかった)。
しかしプロセス自体は同じでした。私はこの本が大好きなので、本から好きな部分を抜き出してスクリーンに投影し、私が読書中に感じた感情を皆にも体験してもらおうと努めただけです。 私の目標は、映画を観た観客にあの同じ感情を味わってもらうことでした。 そしてアンディは私を深く信頼してくれているので、その感情を再現するために必要な改変を行うことを許可してくれました。

映画『プロジェクト・ヘイル・メアリー』は大ヒット公開中。
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