『プロジェクト・ヘイル・メアリー』原作者の『スター・トレック』新作企画が却下されていた
ヒット中の映画『プロジェクト・ヘイル・メアリー』原作者アンディ・ウィアーが、ポッドキャスト番組Drinker’s VIP Loungeにて『スター・トレック』への複雑な思いを明かした。近年のシリーズに苦言を呈する一方で、かつて自ら『スター・トレック』企画を提案していたことも明かしている。
ウィアーにとって『スター・トレック』は、もともと大きな原点でもあるという。ジェネレーションX世代である自身のSF体験を振り返りつつ、幼少期にはクラシック版『スター・トレック』再放送や『宇宙家族ロビンソン』を楽しみ、『新スター・トレック』の登場が自分にとって大きかったと話している。「人が宇宙でカッコいいことをやるSFは、『新スター・トレック』の登場まで、あまりなかった」。
さらに終盤では、より踏み込んだやり取りも交わされる。番組ホスト側から、ParamountがSkydance傘下となったことで、今後『スター・トレック』関連作品の見直しが進むのではないかと示唆され、ホスト自身の過激な意見として「現代の『スター・トレック』をすべて終わらせ、正史から外して最初からやり直すべきだ」との発言を受けると、ウィアーは「あなたは私よりずっと厳しいね」と応じ、自分の見解を少し引いた位置から説明している。
この流れで、ウィアーは「『スター・トレック:ストレンジ・ニュー・ワールド』はかなり良いと思う」「『スター・トレック:エンタープライズ』も嫌いではなかった、変わり種とは思う」「『ローワー・デッキ』も楽しくて面白かった」と評価。一方で、「その他は切ってしまっていい」とのやや辛辣だ。
さらに興味深いのは、その直後の告白だ。ウィアーは「Paramountに『スター・トレック』ドラマを企画提案した」と明かし、各作品のショーランナーたちとZoomで自分のアイデアを売り込んだという。しかもその過程で、現在の『スター・トレック』作品群を率いるアレックス・カーツマン本人とも長く話したそうだ。
ウィアーは「新しい『スター・トレック』の多くは好きではない」としながらも、「彼は人としては本当にいい人だ」とコメント。もっとも、最後はウィアーらしい毒も飛び出す。企画が採用されなかったことについて、「彼らは私の企画を受け入れなかった。だから……まあ、くそったれだよね」と冗談めかして語っている。もちろん本気一辺倒の憎まれ口ではないが、採用されなかった悔しさと、近年のシリーズへのもどかしさが入り混じった本音ではあるのだろう。
『プロジェクト・ヘイル・メアリー』や『オデッセイ』で知られるウィアーだけに、もし彼の『スター・トレック』案が実現していたら、科学考証と問題解決の快感に満ちた、新たな宇宙SFが生まれていたのかもしれない。少なくともウィアーが、『スター・トレック』という巨大シリーズに対して人一倍強い思い入れを抱いていることだけは間違いないだろう。
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