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【インタビュー】なぜピカチュウはふさふさ、もふもふなのか ─ 『名探偵ピカチュウ』ロブ・レターマン監督に訊く

映画『名探偵ピカチュウ』ロブ・レターマン監督
©THE RIVER

ポケモン初の実写映画『名探偵ピカチュウ』が、2019年5月3日より日本先行公開。大ヒット上映中となっている。

おなじみのポケモンが実写で活き活きと描かれる本作は、主にニンテンドー3DS用ソフト『名探偵ピカチュウ』がベースになっている。ポケモンといえばバトルやポケモン収集の冒険が醍醐味だが、本作は主人公の青年ティムが父の死の真相を追う探偵物語。おまけにふさふさ・もふもふのピカチュウがおっさんの声で人の言葉を話すなど、風変わりとも言えるアプローチを貫いている。


監督は『シャーク・テイル』(2005)や『モンスターVSエイリアン』(2009)に『ガリバー旅行記』(2011)など、幅広い年代が楽しめるファミリー作品で知られるロブ・レターマン。世界中で絶大な支持を集めるポケモン初の実写化の裏側はどのようなものだったのだろうか。来日した監督にTHE RIVERが訊いた。

映画『名探偵ピカチュウ』ロブ・レターマン監督
©THE RIVER

参考にしたのはフィルム・ノワール作品

「僕はハワイ出身で、東西のカルチャーが混ざり合う中で育ったので、日本のポップカルチャーにも少し影響を受けています」と自らのバックグラウンドを紹介するロブ・レターマン監督は、ポケモン発祥の地、日本での公開を控えて「すごくワクワクしています」と喜んだ。2018年11月の東京コミコンにも登場していた監督は、製作中は何度も東京を訪れていたという。

ロブ監督によれば、フィルム・ノワール調の探偵映画を目指すというアイデアは、監督が本作に参画する頃には既にレジェンダリー・ピクチャーズによって決まっていたものだという。このアイデアを具現化するため、監督は様々なフィルム・ノワール作品を参考にした。1970年代の探偵映画や警察ドラマに加え、監督が「ハードボイルド探偵作品」として敬愛する黒澤明の『天国と地獄』(1963)や、『第三の男』(1949)など、およそ「ポケモンの実写映画」のためとは思えぬ硬派なタイトルばかりだ。

「僕にとっては『ブレードランナー』もフィルム・ノワールです」というロブ監督は、主な舞台となるライム・シティには新宿の街並みの他に「ネオ・ノワール」のインスピレーションも取り入れた。「僕は『AKIRA』を観て育ったので、ネオ東京のカラーを取り入れました。ライム・シティのビル群の光と影の具合はネオ東京です。」ほか、『2001年宇宙の旅』(1968)をはじめとする名作SF映画の要素もあるという。

ポケモン実写化、すべてはファンのために

日本を始め世界中で愛されるポケモンを実写化するにあたって、「プレッシャーはあった」と認めるロブ監督。「僕の子どものように、新世代のポケモンファンもいますが、今の20代、30代はまさにポケモンで育った世代。ポケモンを深く愛していますし、とても真面目に考えている方々です。」

実写化にあたって特に大切だった点は、株式会社ポケモンらポケモン関係者や、ゲーム用3Dモデルの制作ディレクターの氏家淳子さんらとの連携を密にしたこと。コンセプトデザインの段階より、「何度もやり取りしながら」協力して進めたという。このおかげで「正しく翻案することができた」というロブ監督は、「ファンのために」という言葉を繰り返し使った。

「クルーの多くも(ポケモンの)ファンでした。9割のクルーがポケモン育ち。日本で始まった文化ですが、日本とまったく同じ熱気が世界中にあるんですよ。」

1996年、『ポケットモンスター 赤・緑』の151匹から始まったポケモンには、現在800以上もの種類が存在する。この映画に登場するポケモンの種類は54種で、選定は主に同名の原作ゲームに基づいている。「人気のポケモンはもちろん、古い世代のポケモンも登場させています。本作は子どもたちのためだけでなく、ポケモンで育った大人たちのためでもあるからです。」

監督の個人的な好みによって登場させたポケモンもあった。「バリヤードです。すっごく奇妙なポケモンで、映像化は本当に大変でした(笑)。」

Writer

中谷 直登
中谷 直登Naoto Nakatani

THE RIVER編集長。ライター、メディアの運営や映画などのプロモーション企画を行っています。お問い合わせは nakatani@riverch.jp まで。

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