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ブラッド・ピット、賞レースへの積極的参戦を「控えたい」理由とは ─ 『アド・アストラ』『ワンス・アポン・ア・タイム・イン・ハリウッド』の演技に絶賛集まる

『アド・アストラ』ブラッド・ピット来日 ジャパンプレミア
© THE RIVER

2019年は、ブラッド・ピットという俳優にとって極めて重要な年になったといえそうだ。クエンティン・タランティーノ監督による『ワンス・アポン・ア・タイム・イン・ハリウッド』、盟友ジェームズ・グレイ監督との初タッグで宇宙映画に挑んだ『アド・アストラ』の両方で非常に高い評価を得ており、賞レースでの活躍も期待されているのである。

しかしピット本人は――初のアカデミー賞受賞となる可能性にもかかわらず――賞レースに向けてのキャンペーンには消極的だ。米Entertainment Weeklyのインタビューで、ピットは賞レースに積極的に関わることを「控えたい」と述べている

「(賞レースが)どうなるかはわかりませんし、そこで自分の名前を挙げてもらえるのは本当に素晴らしいことです。けれども僕の目的は、映画を作り、それが今にせよ10年後にせよ、誰かに訴えかけること。賞を追いかけることは、実際には物語を伝えることへの純粋さを損なうものだし、物語を描くことへの集中を阻むものです。」

『アド・アストラ』でも主演・製作を兼任しているように、ピットは自身の製作会社「プランB」を通じて、プロデューサーとしても精力的に活動中。自身の出演しない作品も多数手がけており、アカデミー賞にも『ディパーテッド』(2006)『それでも夜は明ける』(2013)『ムーンライト』(2016)を送り出してきた。

ピットは、自身の関わった映画の成功を判断する基準について「その映画が10年後、20年後にも何かを語れる作品かどうか」「それだけの年月にわたって長持ちするか、それほどの力があるか」だと話している。“物語を伝える”というピット自身のミッションは、俳優・プロデューサーを問わず一貫しているのだ。賞レースへの参戦に消極的なのも、あくまで作品や物語を純粋な形で伝えたいという意志に基づくものなのである。

一方で『アド・アストラ』のジェームズ・グレイ監督は、自身の期待に完璧に応えたピットに賛辞を贈り、「彼の演技は過小評価されています」とも強調した。「演技をコントロールし、それでいて映画に必要なアイデアやエモーションを表現することは、何にも劣らないほど難しいものだと思います」。

これまでピットは、『ジェシー・ジェームズの暗殺』(2007)でヴェネツィア国際映画祭男優賞を受賞したほか、『ベンジャミン・バトン 数奇な人生』(2008)『マネーボール』(2011)でアカデミー賞・ゴールデングローブ賞にWノミネートされるなど、幾度となく映画賞に名前を連ねてきた。本人の意欲が何より大切とは承知ながら、もしも久々の映画賞ノミネートが叶うならば受賞を期待するのがファン心理というものだ。さて、どうなる…?

映画『ワンス・アポン・ア・タイム・イン・ハリウッド』『アド・アストラ』は全国公開中

『アド・アストラ』ジャパンプレミアでの様子はこちら

Source: EW

Writer

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稲垣 貴俊Takatoshi Inagaki

「わかりやすいことはそのまま、わかりづらいことはほんの少しだけわかりやすく」を信条に、主に海外映画・ドラマについて執筆しています。THE RIVERほかウェブ媒体、劇場用プログラム、雑誌などに寄稿。国内の舞台にも携わっています。お問い合わせは inagaki@riverch.jp まで。

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