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ニコラス・ケイジの好きな日本語は「お疲れさまです」、「アメリカで日常的には言わないから」 ─ 『プリズナーズ・オブ・ゴーストランド』で覚える

プリズナーズ・オブ・ゴーストランド
©2021 POGL SALES AND COLLECTIONS, LLC. ALL RIGHTS RESERVED.

『愛のむきだし』(2008)『冷たい熱帯魚』(2010)など数々の問題作を世に送り、常に日本映画界の話題をさらい続けている園子温が、監督としてついにハリウッドデビュー。主演のニコラス・ケイジ、監督の園子温というふたつの才能の奇跡的な融合から生まれた痛快エンターテインメント、『プリズナーズ・オブ・ゴーストランド』が2021年10月8日に日本上陸だ。この度、ニコラス・ケイジが見事な日本語を使いこなす本編映像が特別公開された。

舞台は架空の未来都市サムライタウン。悪名高き銀行強盗のヒーロー(ニコラス・ケイジ)はある日、街を牛耳る悪徳支配者ガバナー(ビル・ モーズリー)のもとから逃げ出したバーニス(ソフィア・ブテラ)を連れ戻すよう命令を受ける。いったんはその命令を拒んだものの、制限時間を超えると爆発するスーツを無理やり装着され、ゴーストランドまでバーニスを追う羽目に。決められた時間内にサムライタウンに戻らねば自身の命が危ない。ヒーローは無事時間内にバーニスを連れ戻すことが出来るのか?

このたび公開された本編映像は、ヒーローが、ゴーストランドでバーニスと子供たちにお茶をご馳走になる場面だ。子供たちは見知らぬ来訪者に怯えた表情をしているが、ヒーローが「ありがとうございました」とお茶を受け取り、一口飲んだ後に「美味しい」と日本語で礼儀正しく気持ちを伝える。その姿にゴーストランドに住む子供たちと、ヒーローとの心の距離が一気に縮まってゆく、そんな温かいシーンだ。

2021年9月中旬に行われたインタビューでニコラス・ケイジは、劇中の日本語について、「とても上手でしたね!」と褒められると、子供のころ父親に「日本語は未来の言語だ、ビジネス面で助けになる」とロサンゼルスのオレンジ郡にある日本学校に4年生から入学したというエピソードを語ってくれた。「悲しいことに、僕は学んだ日本語をほとんど覚えていない。覚えていたらよかったのにと思いますよ。彼(父)は正しかったんです」と日本語を忘れたことを後悔している様子だ。

しかし、本作は滋賀県の彦根市をメインに撮影され、園子温組のスタッフをはじめほとんどが日本人という現場で「覚えた日本語はありますか?」と問われると、「“お疲れさまです”(日本語で)。それが僕が大好きな日本語ですよ。“お疲れさまです”。一生懸命働いたことに感謝してもらえる。とてもありがたく思います。アメリカには“お疲れさまです”って日常的に言うようなことはないですからね。だからその言葉ですよ」と、“お疲れ様です”にこめられた感謝の気持ちが気に入ったことを教えてくれた。

日本語にまつわる話の中で、映画監督でありニコラス・ケイジの叔父、フランシス・フォード・コッポラとのエピソードを思い出したニコラスは、こんな話も披露してくれた。

「面白い話をしますね。僕が子供の頃、サンフランシスコの叔父のお屋敷によく行ったんです。フランシス(・フォード・コッポラ)おじさんは、ソニーの社長と友達だったんです。彼の名前はサムっていうんです。彼が、フランシスにハイって言うために、東京からやって来ました。大きなパーティーでしたよ。フランシスは、彼の甥が日本学校に通っていることを自慢しようとしたんです。そしたら、ソニーの社長のサムは、“オッケー。もし日本語を話せるなら、どんな言葉を知っているの?”って言ったんです。それで僕は、“ヤサイ”って言ったんです。彼は、“おお、オッケー。それは興味深いね。ほとんどの人々は、グッドモーニングとかハローとか言うのに、きみは『野菜』って言ったね”って言っていました。なぜ僕がそう言ったのかはわかりません。愚かですね。でも、可笑しかったですよ」。

プリズナーズ・オブ・ゴーストランド
©2021 POGL SALES AND COLLECTIONS, LLC. ALL RIGHTS RESERVED.

『プリズナーズ・オブ・ゴーストランド』は、2021年10月8日(金)より、TOHOシネマズ日比谷他全国ロードショー。

ニコラス・ケイジがフンドシ姿に?

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THE RIVER編集部THE RIVER

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